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2021.07.07

仏壇仏具業界のイノベーター

今回は創業大正7年、100年以上つづく珠数の製造卸業を営んでおられる

株式会社神戸珠数店の6代目代表、代表取締役 神戸伸彰さんにお話を伺ってきました。

京都駅から烏丸通を北に歩き、七条通を越え東本願寺の大きな御影堂門が左手に見えてきます。

右手を見ると法衣などを扱う商店がありその先の細い路地を東に歩いていくと神戸珠数店さんが右手に見えてきました。

建物の中に入ってまず目に入ってきたのは、職人さんが珠数づくりをしている工房

職人さんたちが一生懸命珠数づくりに励んでいます。

「珠数の素材は天然石、木、ガラスなど様々で、それぞれの職人が一玉ずつ心を込めて作っています。

玉だけでなく糸、房や箱など多くの職人が珠数作りに関わり、その職人達の思いを手作業でひとつの形に繋いで

「珠数」を作り上げることが私達の仕事です。

珠数を使う方の事を思いながらひとつひとつ大切に仕立てています。」

と珠数づくりへ込める熱い情熱を語る神戸さん。

工房を横目に奥へ進んで行くと整然と珠数が並んでいます。

その中でもひときわ目立つ一画があった。神戸珠数店オリジナルの製品だ。

一つ目に紹介していただいたのは

『縁添珠(よりそいじゅ)』

一見普通のお珠数だが、よく見るとその中に一つだけ御影石でできた玉が入っている。

「これ実は墓石を玉にしているんですよ。

お珠数をもって手を合わせてみるとちょうど使う人の一番近くに

寄り添うように玉の位置を調整しました。」

近年、お墓が遠方でなかなかお参りできない方や墓じまいされる方が増えてきている中

何かしらの形で残せないかとの想いで作ったオリジナル商品だ。

これならいつでもご先祖様にお参りできる。

斬新なアイデアでありながら、人の心に寄り添った商品だ。

次に目に入ってきたのは何やらお数珠には見えない凛としたデザインのイヤリング?

「『一凛いちりん』というラインで、これはマスクにつけるチャームです。

コロナ禍でどうしてもマスクが欠かせない中 マスクのゴム紐が耳元のイヤリングなどに引っかかって

おしゃれできないという悩みに応えたくて開発しました。」

お珠数づくりで培った技術が随所に生かされた製品で、

これに合わせたマスクやブレスレットなどがそろう。

また、ディスプレイするための箱にもこだわったと言う。

「箱は戸田さんと何度も打ち合わせをして作っていただきました。」

今回一緒に取材に来ていた戸田さんも誇らしげだ。

その隣には奥深い藍色の商品が目に飛び込んできました。

『藍珠(aidama)』という商品。

「大河ドラマ「晴天を衝け」の藍染を監修している方にお願いして作りました。」

藍色は別名で「ジャパン・ブルー」と言われ美しく映える正藍染めの珠と房で仕立てられたている。

「伝統産業である藍染めによって生み出される藍色の魅力と、同じ伝統産業である京念珠の技をコラボさせることで、

持つ人々の心を豊かにさせたい」という想いから生み出された製品だ。

神戸さんが実際に使用しているというものを見せてもらうとジーンズのように使えば使うほど色合いに味わいが出ていい感じだ。

インディゴカラーのジーンズなどカジュアルな服装とも相性がいい。

京都で100年にわたり珠数の製造卸業を営んできた株式会社神戸珠数店。

自社オリジナル商品を精力的に開発・製造しながら

新たな取り組みにも果敢に挑戦している。

歴史と伝統のある会社を6代目として継いだ時には

さぞプレッシャーが大きかったのではないかと思い当時のことをうかがうと

「歴史や伝統よりもまず一番に従業員とその家族のことを思いました。

『珠数を通して多くの人の心を豊かにする』というのが弊社の使命です。

そのためにはまず従業員を幸せにしなければならない。

従業員が働きやすい環境づくりを心がけています。」

マスク越しではあったが、今回お借りした写真のように常に笑顔があふれでる神戸さん。

いかに従業員のことを第一に思っているかが、ひしひしと伝わってきた。

 

『旧態依然だった会社の体制を変える』それが会社を継いでからの課題だったという。

「次の100年に向けて、企業としてきちんとしたかたちにしていくのが私の仕事です。

また、100年の間に珠数をとりまく環境はだいぶ変わりました。

いまの時代、独自の特徴や工夫がない商品はお客様の手に届きません。

価格競争に巻き込まれないためにも、自社独自の商品展開やストーリーづくりは欠かせない」

旧態依然の体制を変えるため神戸さんが取り組んだ大きな試みが、自社の名前出しだ。

「以前の弊社は黒子的な存在でした。

小売店との間にも、仕入先の名前は出さないという暗黙のルールがあったと思います。

ですが、つくり手の責任を果たすためにも名前は出すべきだと思い、

自社オリジナルの商品に関しては弊社のタグをつけるようになりました。

従業員にとっても、自社の名前を出すのと出さないのではやりがいが違うと感じています」

聞けば、当然小売店からの反発もあったようで、

「いまだになんで名前を商品につけているの?とお客様から言われることもあります。

ですが、弊社が次の段階に進むためには通らなければならない道だと考えています。

小売店と手を組むことで、珠数の可能性をもっと広げていきたい」

そう語る神戸さんの眼差しは、しっかりと未来を見据えている。

「『常にいいものをつくって、常に革新していきなさい』というのが先代から受け継いでいる弊社の方針です。

そのためにもまずは、自社のプロダクトをもっと増やしていきたいです。

新しい切り口の商品を開発することで、今までに珠数に興味がなかった方にも手にとっていただける機会をつくりたい。

一年で最低1つはラインナップを増やしていき、100年後には100ライン増えているのが理想です」

今回取材させていただいた中でも、数多くのラインナップを見せていただいた。

このペースでいけば100年後には100ライン以上になっていそうな勢いだ。

これからも神戸珠数店の新商品に目が離せない。

プロフィール

会員名                                :           神戸 伸彰

出身地                                :           左京区出町柳

出身校                                :           同志社大学

趣味                                   :           音楽、バンド活動

休日の過ごし方                  :           子どもと過ごす、バンド活動

過去に経験したスポーツ    :           サッカー、空手

座右の銘                            :           和顔愛語

 

会社情報

会社名    :           株式会社神戸珠数店

代表者名:           神戸 伸彰

企業HP :           https://www.kyoto-kanbejuzu.co.jp/index.html

所在地    :           京都府京都市下京区廿人講町25

創業       :           大正7年

 

記事編集: 近江部会 谷本 光

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。