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2022.06.08

いつまでも「ほんまもん」であり続けたい

JOCスポットライト委員会の古市谷(コイチタニ)と申します。

本日は、京都祇園新地で有名な寿司店いづうの当主 佐々木様に取材させていただきました。

この度は、急な取材依頼にご協力いただき、本当にありがとうございました。

数多くの取材を受けられている中で、私(古市谷)がライターさんと同等の文章力でお伝えしていくのは難しいかもしれませんが、精一杯、記事を書かせていただきます。

今回、インタビューをご依頼した経緯としましては、

・私(古市谷)の子供の頃の将来の夢がお寿司屋の店主だったという点

・家業を継ぐという事に対しての想いを知りたいという点

・お店を継承していく中で大切にしておられる考え方を知りたいという点

からご連絡させていただきました。

インタビュー当日、ご当主とは、初めてお会いする形でしたが、第一印象として、とてもオシャレかつカッコ良く、人を引き寄せる包容力のある方だなと個人的に思っておりました。

お忙しい中、インタビューの時間を割いていただき、色々と伝統や会社の歴史について、お話を聞いてきましたが、勉強になる事が多く、私にとって、「細部にまでこだわる事」の重要性を知るきっかけとなりました。

お店の紹介などは、数々の取材を受けておられており、たくさんのメディアサイトで掲載されておりますので、その部分は割愛させていただき、私自身が勉強になったことを3つ共有させていただければと思います。

【勉強になったこと:その①】

  • 「いつまでも「ほんまもん」であり続けたい」という考え方

京都祇園新地 いづうさんは、天明元年(1781年)に初代いづみや卯兵衛より創業され、初代いづみや卯兵衛の初文字を載いて、屋号を「いづう」としたそうです。花街と京の町衆の皆様に御贔屓にして戴いた中で、鯖姿寿司を名物にした京寿司専門店として暖簾を掲げられております。

その長い歴史の中で、インタビュー時に、お寿司を受け継いだものを大切にしながら、世の中の流行(環境や流通変化に対応した食材調達)を察知して、味を現代人に合わせて変えてきているというお話を聞き、伝統というものは、味を守り続けるだけでなく、変化を生み出す挑戦をしてこそ継がれていくものなのかなと感じました。それも、長年ご利用いただいているお客様もわからないほど、微妙に変化を加えているとの事で、料理人のプロ意識の高さ、「ほんまもん」を作り続ける難しさを知りました。

「伝統と挑戦」これこそが長年続けていく秘訣なのかなと個人的な見解ですが、現状に満足せず、挑戦し続ける事の大切さを知り、とても勉強になりました。

【勉強になったこと:その②】

  • 「商ヒハ両手ノ内二納ムルコト」という考え方

代々、相承する一条に「商ヒハ両手ノ内二納ムルコト」という言葉があるそうです。略すと、「商いは、両手の範囲で納める」という考えで、いづうさんの品を独り歩きさせるのではなく、目が届く範囲で商う大切さを説いた家訓から家族総出でお寿司作りに専念されているそうです。

インタビューの中で、現在に合ったオンラインショップをされている事で、時代に合わせたビジネススタイルを構築されていたので、色々ご質問させていただいた中で、新型コロナウイルス感染症の感染が収束していけば、オンラインショップを閉鎖する考えを持たれており、その理由が上記でお話した家訓から判断されているそうです。守るところと攻めるところをしっかり区分けされており、この場合でいうと「家訓」になりますが、会社でいうと「理念」の部分が明確であり、ご当主の中で、判断基準が明確だったため、非常に感銘を受けました。

先ほどお話した味に変化を与えていく挑戦をしていきながらも、お店を継承していくために、現在のビジネススタイルに合わせず、引く事で希少価値を高める事も大切にされており、なかなかそういった判断ができる方は少ないのではないかなと思っており、非常に勉強になり、改めて、会社でいう「ビジョン」「ミッション」「バリュー」は大切だと再認識しました。

【勉強になったこと:その③】

  • 「自分のお店ではなく、お店を預かっている」という考え方

ご当主は、8代目当主という代を築き上げられているゆえに、自らのお店ではなく、お店を預かっている感覚で、常日頃お仕事をされているというお話を聞きしました。その話の中で、ご当主のご家族のお話を聞いた際に、娘様などはお店に行きたい時は、「いづうさん」に行きたいとおっしゃるそうです。お店に行く際に、店名に「さん」付けをする意識!これこそがお店に敬意を払い、普段からお店を大切しておられる所以なんだなと思いました。お子様だけでなく、スタッフさんも含め、ご当主がしっかりと店内の方々とコミュニケーションを取られており、お店の価値を意識共有できているからこそだと思っております。

日常生活の中で、経営者は、法人は別人格という認識があっても、「会社=経営者」という風に思っている人が多いからこそ、「自分の会社」がというワードはよく出てくるようなイメージがありますが、お店を預かっている意識というのは、当たり前の事のようで、なかなか難しい事だなと思っており、ご当主の考え方は非常に勉強になる事が多く、なかなかこの記事では伝えきれていないかもですが、本当に有意義な時間を過ごさせていただきました。

またこの記事を拝見いただいた方は、是非ともお店に寄っていただき、伝統に触れていただきたいなと個人的に思っております。

長文になりましたが、ご当主とお話している中で、商売というものは、いかにお客様に喜んでもらえるのか、自分の見える範囲内で仕事をしていく事で、お客様の声などをリアルに感じ取れるため、そこから常日頃、問題だと感じる事を改善していき、「また来たい」とファンになってもらう事が大切であると個人的に感じました。あくまでも私のインタビューの中での個人的な見解になりますが、歴史のある「いづう様」のお話を通じて、非常に勉強になり、この記事を通じて、少しでも「いづう様」に興味を持っていただける方々が増えればなと思っております。

本当に、この度は、急な依頼にも関わらず、取材を受けていただき、ありがとうございました。

「プロフィール紹介」

8代目当主: 佐々木 勝悟(ささき しょうご)様

入会時期:JOC第14期

部会:本店

社名:株式会社いづう

屋号;いづう

創業:天明元年(1781年)

本社所在地:〒605-0084 京都府京都市東山区八坂新地清本町367番地

代表取締役:2017年5月就任

生年月日:1978年7月27日生まれ

趣味:洋服、温泉

「インタビュー秘話」

ご当主は、小さい頃から、祖父様から名店のおいしいお店などでお食事をされていたというお話を聞いたので、嫌いな食べ物などありますか?と質問させていただきました。その中で、実は、小学生低学年の時は、鯖は喰わず嫌いで、食べれなかったそうです。しかし、「嫌いなものを食べ続ける事でおいしさがわかるものがある」とおっしゃっており、今では、鯖寿司がとても好きになられたようです。その中で、唯一食べ続けても好きになれなかったのが「ヤギのチーズ」だそうです。私は、食べた事がないのはどんな味かも想像ができないですが(笑)

嫌いなものを食べ続けるとおいしさがわかるという感覚を体感した事がないので、私(古市谷)は梅が食べれないので、しばらく食べ続けてみようかなと少し思っております(笑)

以上で本インタビューを終わらせていただきます。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。

 

 

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。