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2022.09.21
京都の中心、河原町六角にあるレトロな建物
河原町部会所属、京極かねよさんの樋口兄弟を訪ねました。
Q兄弟で経営しているとお聞きしました。
A
そうです。そして先代も兄弟経営でして、うちの父の兄が経営者の時に人手が足りなかったので弟である父を呼び手伝わせて気が付いたら父が経営を引き継いでいたと聞いております。
今は3兄弟で長男がホール、次男が厨房、三男が経営を任されています。
事業継承は5年前くらいに行われて、職人が経営するのは難しい、長男と三男なら若い方が長生きするやろってことで10歳若い三男が経営担当に決まったんです。
Q兄弟で経営するのは大変ですか?
A
どちらかと言うと良いことの方が多いと思います。
経営方針や失敗した話でも気兼ねなく話せるので。
ただ、兄弟の上下関係はそのまま残るので面倒な時も正直ありますね。
店内もレトロな雰囲気。 汲み上げた地下水でウナギを生かしてます。
Q先代から引き継いでることありますか?
A
店舗の二階で寄席を毎月月末にやってます。先代が初めてもう35年続いてるんですよ。
昔は映画館や演芸場がいっぱいあり幕間に食べる弁当がうちの弁当でした。
しかし時代とともに演芸場もなくなり寄席をやる場所が少なくなってきました。
そこで、うちで場所を提供するので寄席やりませんか、と
入場料の鰻丼から出演料を出すが、客がこなかったら出演料も無し、という取り決めで当時は始まったと聞いております。
緊急事態宣言中フェイスシールドが間に合わず1回だけ休みましたが店の経営も危ぶまれていた時にも噺家さんが高座へ上がる機会が減ると腕も鈍るので続けていました。
びっくりしたのが、ある日小学生が噺家さんの出待ちを始めて、出てきた師匠に駆け寄っていったんです。
どうやら入門したいらしく寄席が終わってから店の一角で話し込まれていたました。
後日聞くと弟子になられたそうです。今や数少なくなっている交流の場を作れて本当にうれしく思いました。
また「お元気デー」という70歳以上の方に抽選で毎月30名無料で鰻丼を提供させて頂いてます。
その昔先代が経営してる時分に客足が減って大変な時期があり当時助けていただたいたお客様へのお返し、恩返しのつもりでやらせて頂いております。
Q寄席もスゴイですが、無料はスゴすぎませんか(笑)ウナギ減ってるんでしょ?
A
稚魚が取れにくくなるに従い漁獲量は減少傾向にありますね。
最近ではロシア、ウクライナ戦争の影響でウナギの稚魚が入ってこなくなったんです。
業者も育てる稚魚が入ってこないとウナギを育てて出荷できないので在庫調整のため突然出荷が止まりました。
慌てて近所でウナギを扱う業者や知り合いに問い合わせて少しでも分けてもらいランチ営業のみにしてしのいでいました。
騒ぎは半月くらいで終わったのですが本当に焦りました。ウナギが入ってこないと料理を提供できないので。
Qコロナ禍に続き大変なご苦労でしたね。
最後にこれからの展望をお聞かせください。
A
今までは年中無休、朝から晩まで開けていたのですが主婦でパートの方や家庭を持つ社員のことを考え定休日と昼休憩を設けました。
これは先代から受け継ぐ「少しでも多くの人に美味しい鰻丼を提供したい。定休日を作るとその日しか行けない人が来れなくなってしまう」
という想いを守るためにも、お店を持続的なものにするためにも、やり方を少し時代に合わせました。
男女関係なく働きやすい場所にして、クオリティが落ちなければ新しいやり方もどんどん導入する風通しの良い仕事場にしていきたいです。
学生のバイトも多いですし、随時募集中です。
Q本日はありがとうございました。
以前は夜限定だった「ちょっといっぷくセット」という気軽に鰻丼を楽しめるお得セットが今は昼からやってます!
ガッツリ鰻丼で満腹になりたい方は「うなぎ丼」がおすすめです。
炭火で丁寧に焼かれた鰻はふわふわで香ばしくて最高に美味しい!
ちょっといっぷくセット
記事編集:スポットライト委員会 和田 今村 山下 嶋貫
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。