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2021.12.15

伝統工芸に携わる者達

今回のスポットライトは伝統工芸に携わる2人をご紹介。

左/土渕 善亜貴(陶磁器)/東九部会 第17期

右/冨田 睦海  (京位牌)/東九部会 第17期

五十音順

 

○そもそも伝統工芸とは?
昔から作られているものであれば、すべて伝統工芸、というわけではなく、ある一定の特徴をもつものだけが伝統工芸と呼ばれます。

↑伝統工芸マーク

伝統工芸の特徴は大きく4つ。
1. 日常生活で使われるものを作っている
2. 工程の多くが手作業で行われている
3. 高度な技術を必要とする
4. 長く受け継がれてきた歴史がある

大切なのは、「日常生活で使われるものを作っている」ということだそうな。

○ 事業について

冨田工藝

仏教ありきの仕事内容であり、美大ではなく仏教系の学校に通い、卒業してからは今の仕事に就いてます。
学校に通いながら、18歳の時に先代の父に弟子入りし、修行と学業を両立してきました。
26歳の時に、色々な葛藤を抱え、父の元から独立し、兄と一緒に今の工場で独立する流れになりました。
どちらかと言うと、アトリエでひたすら彫刻作業というよりかは、職人作業を街を歩く人にも見てもらえるような店舗造りとし、伝統文化に触れてもらえたらなぁとの思いから、今のギャラリー兼工房の感じに改装し、約10年になります。
それくらいの時に、京信さんと知り合って取引するようになり、なんやかんやとJOCに誘われました。笑

(株)陶葊

 

伝統工芸全般では平成元年くらいがピークでそこから今は4分の1くらいの市場になってます。
展開を考えないといけない中で、従来の問屋を通しての販売に留まらず、直販も行える業態を構築してきました。
その方が消費者の生の声も聞けますし、作り手としてもモチベーションが上がってきます。利益率も良くなりますしね!
自分が父から代表を交代したのは2008年に起こったリーマンショックの翌年。29歳でした。
激烈にしんどい時期に世代交代し、とにかく会社の存続、販路開拓に奔走してきました。
その時に新商品として開発したのが花結晶シリーズで、今では主力商品となり、生産の約7割を占めてます。

今で言うとバズったんですね!

そこから政権も代わって、経済も上向きになり、外国人旅行客も多くなったことで、売上増加してリーマン以前に調子上がってきたなぁと浮かれていたら、今度はコロナですよ!
一時、店売りの6割程度にまで上がったインバウンド効果が0ですよ!
ほんま、山あり谷ありで嫌になりますよ!
緊急事態宣言もあったので、国内の動きもなくどん底を経験しました。

それでも足を止めるわけにはいかないので、元々構築していたネット販売に力を入れ直したら、意外と購入してくれる方がいて助かりました。

転換のスピード感の凄さがありますよね!

 

○2人の出会いは?

 

冨『今でも忘れもしません!JOCのオリエンテーションだったか、食事会の時に初めて土渕さんとお会いしたのを覚えています。
10〜15人くらいの会で、西垣さんや木村さんもいたよね?何故か初めて会った土渕さんと西垣さんに2件目に誘われて、そこで意気投合して、今に至る感じかな。』

土『3人で抜けたのは覚えてます笑』

冨『歳も事業の立ち位置も近いし、共通の知り合いもいたから気が合ったんかなぁ。』

それがJOCの繋がりですよね!

冨『それがきっかけで仲良くなって、更に深くなったのは、五条陶器祭りですね。うちの作業場が五条通りに面してるので、トウアンさんに場所を提供しながら、自分ところも一緒になって出展したことで、プライベートだけじゃなく、仕事でも関係性が太くなった気がします。』

陶器祭りを間近で触れたときに感じたことがあると言う冨田さん。

それは、製造も小売も卸も出来る、理想的な仕組みが出来上がっていることに驚かれたそうな。

冨『どちらかというと、我々職人は作品を作って満足してしまうところがある。これからの課題と思っていたことを実践している企業があり、参考にしたいを通り越し、勉強したいとの思いになった。』

冨『更にびっくりしたのが、福島にあるお寿司屋で出てきた陶器がトウアンさんの花結晶の器だったんです。全国区ってすげーなぁと。そういったことを目の当たりにすると、作ってるだけではダメなんだなぁと感じました。』

一流の作品を作ると共に量産できるモノも作らないとなぁと意識に変化が出たとのこと。

 

○共同制作について

トウアンさんが東京ドームで開催された、テーブルウェア・フェスティバル2020に出展された時に、小型の仏壇を展示。
思いの外、反響が良く新たな可能性を見出しました。

その場に、風神雷神の絵付けをした陶板を持参されており、その薄さの技術を仏壇の扉に応用できないかと考えられ、コラボ商品が生まれたんです。

仏壇といえば、比較的大きなものをイメージされると思いますが、現代にマッチした小型仏壇がこれからの主流になってくるだろうと思ってます。

 

○JOCに一言

最近は幽霊会員になってしまっているので、これを機に時間見つけて参加します笑笑

 

長時間お話しさせていただき、ここでは書き切れないほどのボリューム感が現場ではありました。
京都という文化都市で活躍するお二人には、更なる飛躍を願うばかりです。

是非、工房を訪ねて伝統工芸に触れてみてください!

 

☆土渕善亜貴((株)陶葊 代表取締役)
昭和55年1月17日(41歳)
業種/京焼・清水焼の製造・販売
所在地/京都府京都市東山区泉涌寺東林町38
電話番号/075-541-1987
https://www.touan.co.jp/company/index.html

☆冨田睦海(冨田工藝 冨田睦海)
昭和53年1月18日(43歳)
業種/京仏具・京位牌製造・販売
所在地/京都市東山区五条橋東二丁目36-2
電話番号/075-541-0123
https://tomita-k.jp/store

 

 

 

 

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。