Member’s InterviewNo.0011 福井 栄里

Interview2024.05.22

お客様の夢を叶えるオーダーメイドのリノベーション

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  • 大津部会
  • 第22期 入会
  • 暮らしく株式会社
  • リノベーション・ホームステージング

皆さんこんにちは。いつもオフィシャルサイトをご覧いただきありがとうございます。大津部会、総務委員会委員の重近 弘幸です。

今回は私の所属する大津部会の会員さんをご紹介させていただきます。ライフスタイリストで建築士の福井 栄里さんです。

ライフスタイルや生き方が多様化する中、『「心地いい」と「暮らしやすい」の両方が叶う空間づくり』をテーマに、住宅や店舗のリノベーションなどを手掛ける「暮らしく株式会社」を起業し、経営されています。

琵琶湖のほとり、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール向かいにある「コラボしが21」に拠点を構えていらっしゃる福井さんに、仕事にかける思い・JOCに入ってよかったこと・趣味などについてお聞きしました。

コラボしが21

コラボしが21は、滋賀県における商工・労働福祉分野の振興拠点として、県下の商工団体、労働福祉団体が一同に集結し、ワンストップサービスを提供すると共に、これからの本県経済を牽引する新事業を創出することにより、「たくましい経済県づくりのシンボルセンター」としての機能を果たすことを目指している施設です。

お仕事について

記者:本日はお忙しい中ありがとうございます。まずはお仕事について教えてください。

 

福井:大きく2つあります。1つがリノベーション事業の「irutoco。(イルトコ)」です。

 

記者:リノベーション?

 

福井:リフォームとイノベーションを合わせた言葉です。リフォームというと普通、トイレやお風呂の改修を思い浮かべますよね。ですが私は「こういう風な暮らしがしたい」というお客様の気持ちに徹底的に寄り添って、「多様化するライフスタイルが叶う家づくり、空間づくり」を目指しています。私自身もライフスタイリストという肩書で、お客様の要望をリノベーションの設計に落とし込む、ということをしています。

Before

After

記者:なるほど。そこにたどり着くにはどういう想いや、問題意識があったのですか?

 

福井:もともとインテリアコーディネーターをしていたのですが、業界の一般的な流れとしては「不動産&建設」⇒「設計」⇒「インテリアコーディネート」という、ライフスタイルに一番身近なところが最後に回ることが多いです。設計段階で希望するライフスタイルが充分に打ち合わせ出来ておらず、完成時に「やっぱり思っていたのと違う」という不満が出てくる。そこに疑問がありました。

 

記者:では、その流れを逆にすればいいじゃないかと?

 

福井:その通りです。逆さでやったら不満が解消出来るのでは、と思いました。最後に回っていたインテリアコーディネーターや建築士が最初にお客様とお会いし、どんな暮らしがしたいかを明確にした段階で設計に移るという仕組みです。これがリノベーション事業です。

 

記者:もう一つはどういう事業ですか?

 

福井:「ホームステージング」と呼ばれるものです。空き家、空き室対策の一環として、家やマンションの室内を家具や照明、小物などでモデルルームのように演出する仕事です。物件の価値を最大限に引き出し、内覧に来たお客様に「ここに住みたい」と思ってもらえるようにするのが狙いです。

Before

After

 

記者:ありがとうございます。なぜ、これらの仕事に興味をお持ちになられたのですか?

 

福井:中学生の頃、嫌なことがあっても家に帰るとホッとしたという経験があり、住まい=人の拠点を豊かにすることはその人を幸せにすることが出来る。そういう想いからこの仕事を志しました。大学卒業後は住建材のメーカーに就職し、その後はキャリアアップのためにインテリア専門店やリフォーム屋さんなどを経て、フリーランスのコーディネーターをしていました。2級建築士の資格も持っています。

 

記者:いずれは起業するつもりだったのですか?

 

福井:実は1ミリも思っていませんでした(笑)

 

記者:そうだったんですか!なぜ起業されたのですか?

 

福井:インテリアコーディネーターの職業的価値を高めたいと思ったからです。下請けで名前が隠れたままでは光が当たらず、せっかくの自分の仕事が元請けの工務店さんの価値になってしまう。そうではなく、自分の価値を守る方法は何かを考えたときに、「起業」という道しかなかったんです。まずお客さんの元請けになるというビジネスプランで始めたかったのがきっかけです。

記者:なるほど。現在は「コラボしが21」内の4階にある創業プラザ滋賀に入居されていますね。起業の際も背中を押していただいたとか。

 

福井:そうなんです。今も事務所をお借りしています。起業するときも、このビルの中村マネージャーには大変お世話になりました。今も応援してもらっています。実はお借りしている事務所は今年で満期だったんですが、インテリアコーディネーターの起業方法などをオンラインで教える事業が新規事業として審査が通ったため、継続してお借り出来るようになりました。

コラボしが21・創業プラザ滋賀の中村マネージャーについて

中村さんは、このビルにある公益財団法人滋賀県産業支援プラザの創業プラザ滋賀にてインキュベーションマネージャーとして活動されています。大阪の信用金庫を経て起業され、段ボール箱製造販売会社を25年間経営。起業を志す方のサポートをされていますので、滋賀で新規事業をお考えの方は是非お気軽にご相談ください。

 

記者:素晴らしいですね。仕事を進めていくうえで実際に施工する職人さんとの関係はいかがでしたか?

 

福井:最初のころは職人さんもプライドがあるので、施工の進め方が従来のセオリー通りでないことを理由に対立したこともありました。「なんも知らんお姉ちゃんが何か言うとる!」みたいな(笑)

 

記者:よくわかります(笑)

 

福井:でも、こっちもお客さんからの「これを叶えてほしい」という責任を負ってるので、ぶつかりながらも一生懸命伝えるということを繰り返していきました。完成した空間を見てお客様が「本当に夢が叶いました」と喜んでいただいたことがあり、それがきっかけで職人さんたちの私に対する接し方が変わっていきました。今では「福井さん、納まりはこれでいい?」とか、こちらの意をくんで仕事をしてくれる関係になりました。

 

記者:ご苦労されたんですね。印象に残っている案件やお客様はいらっしゃいますか。

 

福井:自宅のキッチンでお料理教室を運営されている女性のお客様ですね。古い二世帯住宅で、当初はインテリアで雰囲気を変えるというご相談でしたが、オープンキッチンにした際の使い勝手やデザイン性の変化などに魅力を感じられ、白を基調に大幅にリノベーションしました。人って自分が好きな空間にいると、どんどん変わっていかれるんですね。自信をつけられて、どんどん発信されています。

 

記者:空間が人に与える影響力って凄いですね。

 

福井:本当にその通りです。ただ、私も完璧に作りこむのではなく、その人らしさはその人自身が足していくという風にとらえています。完成した時には完璧にしすぎない・完璧に飾りすぎない・手を加えすぎないことを大事にしています。自分の好きなものを飾っていくことで完成していくので、3か月後とかに行った時には全然違う空間になっていて、それも面白いですね。

 

記者:他に印象に残ったお仕事はございますか?

 

福井:リフォームの案件で、ご主人の義理の両親が住まわれていた住宅を別宅にしたいというお客様から、庭で四季折々の植物を育てながらリラックスできる空間にしてほしい、というご依頼をいただきました。リフォーム後には「自分の人生を考え直すきっかけになりました。福井さんにはこれからの人生の良い導き手になっていただき、感謝しています」というお言葉をいただき、とても嬉しかったです。

 

記者:それはすごく嬉しいですね。

 

福井:泣きそうになりました。

 

記者:今後どういう活動をしていきたいですか?将来の展望をお聞かせください

 

福井:ベースにはやはり、インテリアコーディネーターや女性建築士の職業的価値を高めたいというのがすごくあるので、今はある程度形は作れたので、私のやり方を望む方にはお伝えさせていただきたいです。それを工務店さんと協力してやる方が増えて、お客さんに喜んでもらい、自分も満たされる。そんな環境を少しでも作っていきたいですね。

 

JOCについて

記者:次に、JOC入会のきっかけを教えてください。

 

福井:前期のころ、コミュニティ・バンク京信滋賀支店の今岡支店長に誘っていただきました。異業種交流会に興味があったのも入会の理由です。

 

記者:JOCに入って良かったことは何ですか?

 

福井:異業種の方との交流が新鮮で本当に楽しいですね。事業として安定していらっしゃる方も多いですし、こういった機会でないとお会いすることができない方もたくさんいらっしゃるのが魅力的ですね。

 

記者:昨今、女性会員もどんどん増えていますし、同い年が集まって様々な活動をする「同年会」も活発です。ぜひ参加してみてくださいね。

 

福井:はい、楽しみにしています。これからは研修などにも積極的に参加して、皆さんと仲良くなりたいですね。

 

休日の過ごし方や趣味について

記者:休日はどのように過ごされていますか?

 

福井:休日は2人の子供達と過ごすことが多いです。習い事に連れていったり、一緒に買い物に行ったり、公園で遊んだりしています。年に数回、各地のテーマパークや温泉などへ家族で旅行しています。

記者:趣味やこれからプライベートでやってみたいことはありますか?

 

福井:キャンプです。少しずつキャンプ道具を揃えたり、キャンプ飯を作ったりしています。ゴルフもやりたいですね。不動産賃貸業をされているお客様でゴルフをされる方が多く、誘われたことをきっかけに、やってみようとちょうど練習を始めたところです。

 

記者:HPなど拝見させていただいていると、お一人でカフェに行かれたり、岩盤浴に行かれたり、一人で何かすることもお好きなんですね。

 

福井:そうなんです。何かを創造しようと思ったら労力がいりますし、エネルギーを消費しますよね。あと、いつもいろんな人に囲まれて仕事をしているので、自分が何を考えているのかを整理するためにも、一度リセットする時間は大事ですね。一人で伊勢神宮まで参拝に行ったりします。

 

記者:貴重なお話をありがとうございました。

 

終始にこやかにご対応いただいた福井さん。

「お客様に徹底的に寄り添い、心の奥底にある願望や理想を汲み取り、理想の暮らし、ライフスタイルを具現化する」という強い思いがひしひしと伝わってくる取材でした。

お忙しい中ありがとうございました。これからの福井さんのますますのご活躍を応援しています。

またJOC会員さんとの新たな交流も望んでいらっしゃいますので、各事業等でこの記事を見た!とお声がけいただけると幸いです。

 

暮らしく株式会社

住所:〒520-0806 滋賀県大津市打出浜2-1-401(コラボしが21内)

TEL:077-572-7551

URL:https://irutoco.jp

URL:https://choireno.jp

 

総務委員会取材チーム

リーダー・インタビュアー   山下 徹(長岡部会)

アシスタント・撮影      八軒 茂隆(大津部会)

アシスタント         林 良輔(大津部会)

アシスタント         樋口 勝久(洛南部会)

記事作成・インタビュアー   重近 弘幸(大津部会)