Member’s InterviewNo.0016 加藤 人嗣
カタログギフトで京の魅力知って
加藤 人嗣 kato_hitoshi
皆さん、こんにちは。長岡部会、総務委員会 委員の山下 徹です。
今回ご紹介するのは、丸太町部会所属で、組織力向上委員会の副委員長でもある加藤 人嗣さん(37)です。
カタログギフトを中心に、冠婚葬祭の引き出物や記念品などを取り扱う卸売会社「株式会社 加藤商事」(京都市上京区)の代表取締役を務めていらっしゃいます。
JOC会員も多数登場する京都の魅力ある商品を集めたオリジナルのカタログギフトを今年初めて作成。「カタログギフトを通して京都の魅力を感じてほしい」と話す加藤さんに、お仕事やJOC活動、将来の目標について聞きました。
はじめに
記者:本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずはお仕事について教えてください。
加藤:はい。弊社は1993年に父親が創業し、当時出始めだったカタログギフトを中心に、ギフトや記念品を仕入れて結婚式や葬儀場などへ卸売りをする会社です。父親が亡くなったことに伴い、5年前に私が継ぎました。現在は関連会社で運営しているECサイト(KOTOGIFT)や楽天などのインターネットモールでの小売販売が主力になっています。
記者:カタログギフトと言えば「冠婚葬祭の引き出物」というイメージが強いですが、コロナ禍もありましたし、最近は色々な使われ方があるそうですね。
加藤:そうなんです。会社の福利厚生の一環として、社員様のご結婚やご出産、永年勤続表彰など、会社から社員の皆様へのお祝い、日頃の感謝を贈るときに使われるケースが多くなっています。商品券や現金では伝えられない、心のこもったギフトをお送りすることができます。
記者:ほうほう。
加藤:また、「グルメ」「旅行」「ファッション」など、一つのテーマに特化したカタログギフトもたくさん出ています。価格も2千円台から10万円を超える高額なものまでさまざまです。
記者:そうなんですね、知らなかったです!
記者:人生の節目に関わる、素晴らしいお仕事ですね。加藤商事さんの強みはどういったところですか?どのような思いで事業に取り組んでいらっしゃいますか?
加藤:何よりも幅広いニーズに対応できる商品力ですね。定番人気のカタログギフトをはじめ、人気の海外ブランド品や陶器、地場のこだわった一品まで、数多くのメーカーからお客様の想いに合った商品をご提案させていただきます。人生の節目やイベントも多様化している中で、皆様の想いに寄り添いながら、ともに喜びを共有していく企業でありたいと考えています。
記者:5年前に継がれたとのことですが、もともと継ぐおつもりはあったのですか?
加藤:「いつかは継ぎたい」という思いはずっと持っていました。同志社大学を出て、新卒でIT機器などを扱う会社の営業マンを8年していました。まだまだブラックな雰囲気が残る時代でしたが、どこかで継ぎたいという気持ちはあったので、そのためには厳しい営業を経験するのもいいかなと思って入りました。
記者:継がれた時はどんな感じでしたか?
加藤:実は父親が余命宣告され、3か月で亡くなってしまったので、会社のことを教えてもらう時間が少ししかありませんでした。なので、実際亡くなってからは、銀行の暗証番号を読み解くところから始めました。銀行に行って、「このハンコで合っていますか?」みたいなこともしましたね。なので、JOCにも誘われていたのですが、最初の1年は引継ぎなど会社のことをやるだけで精一杯でした。
京を知るカタログギフトとは
記者:ご苦労されたんですね。そうした中、今年には新たな取り組みとして、京都の魅力ある商品を集めた「京を知るカタログギフト」を作られたと伺いましたが、どのようなものなんですか?
加藤「京都に住んでいる私たちだからこそ発信できる街の魅力があるのでは」と思って作り始めました。25社掲載させていただいたうち、20社がJOC会員さんです。「御所・二条城」「西陣・北野」「洛北」など6つのエリアに分け、商品も扇子やちりめん山椒、西陣織、ゆばなど、いずれも京都を代表する銘品ばかりです。
記者:色々な会員さんのお店も掲載されていますね。
加藤:どの会社さんを掲載させてもらうか、私たちもゼロからなので苦労しましたが、組織力向上委員会のメンバーに相談して紹介してもらったり、コミュニティ・バンク京信さんにも動いていただいたりして、作り上げることができました。
記者:素敵ですね。作った狙いはどういうところにありますか?
加藤:私たちはもともとメーカーから仕入れて売る、というビジネスモデルですが、利幅が薄く、最近はインターネットで簡単に価格を比較することができます。そうなると、一番資本力のある会社の価格に合わせないといけない。そこと同じ戦い方をしてもダメで、今は自分たちの色を出さなければいけない時代なんですね。
様々な品目、価格帯のカタログギフトがズラリ。とても綺麗に整理整頓されており、とても印象的でした。
記者:なるほど。今後こうしていきたい、などの展望はありますか?
加藤:地域に特化したカタログギフトはあまりないので、一つの柱にしたいと思っています。今後もJOCのつながりを活かして更新し、幅広い価格帯のものを作りたいです。地図も付けていますので、「観光ガイドマップ」としてこのカタログギフトを手に、実際に各店舗を回ってもらいたいですね。「るるぶ」のカタログギフト版のイメージです。京都の方には町の魅力を再発見してもらいたいですし、今後は飲食店も増やしていきたいです。ホテル旅館などに置いてもらい、ツアーとセットにしてもらえたら嬉しいです。
JOCについて
記者:次にJOCについてお聞きします。まずはJOCに入ったきっかけを教えてください。
加藤:私が社長就任当時、いわゆるメーンバンクがなかったのですが、京信さんとつながりができ、お世話になっていく中で、当時の丸太町支店の担当職員さんからぜひ入ってほしいと勧められました。ただ、先ほどお話しした通り、1年間は会社のことをやるのに精一杯だったので、実際入会するまでには時間はかかりました。
記者:丸太町部会の雰囲気はどうですか?
加藤:楽しいですよ!今は先輩方が多く卒業され、全部会中最少の11人とこじんまりしていますが、佐々木隆吏部会長を中心に仲はいいですね。本部委員も私含めて3人(菅原一智さんが例会委員会、山田麗さんが連携委員会)出ています。
記者:一番印象に残った事業はありますか?
加藤:所属している組織力向上委員会で恐縮ですが、聞いてて面白かったのは、大阪のトゥモローゲート株式会社さんで行った採用戦略に関する事業ですね。西崎康平社長のお人柄もありますが、自分自身も採用で悩んでいたので、本当にためになりました。
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記者:JOCに入ってよかったですか?
加藤:多くの経営者と知り合うことができ、繋がりが増え、本当に良かったと思っています。皆さん様々な経営観、価値観をお持ちで、非常に刺激になっていますし、自分も取り入れたいなと思っています。また、本部事業を含めたさまざまな事業で多くの学びの場が得られています。とてもありがたいことだと思っています。
記者:加藤さん所属の組織力向上委員会ですが、最後の事業を来年1月に行うことになっていますね。どんな内容ですか?アピールをお願いします。
加藤:最後は今までの総決算みたいな事業をしようと思っています。これまで採用や人事評価などをテーマに計4回事業をやったのですが、その講師の方全員に夜の京都水族館に来ていただき、みんなで会話をしながらもう一度学び直すという企画です。篠田直大委員長の「思い出に残る事業を最後にしたい」という思いが込められています。
記者:講師の皆さん全員に来てもらうんですね。それは面白そうですね。ぜひ参加したいです!
プライベートのお話について
記者:では次は仕事とJOC以外のお話で。加藤さん自身のプライベートの趣味はありますか?
加藤:趣味という趣味があまりないのですが…冬はスノーボードをするのが好きですね。あとは麻雀を少しします。お酒は強くはないですが、飲むのは好きですね。
記者:ご家族について教えてください。
加藤:2歳になる子供がいて、ちょっと会話もできるようになってきたので、今は子供との時間が一番幸せで楽しいですね。この前も京都市立動物園に行きました。
記者:僕も昨日行きました笑。2歳はかわいい時期ですよね。
最後に
記者:それでは最後に、将来の目標を教えてもらえますか?
加藤:私が引退するまでに、尊敬する父親を超えたいですね。
記者:なるほど。
加藤:父親はいわゆるワンマン経営者で、芯が強く、オーラとカリスマ性がありました。周りと協調して物事を進めていく私とタイプは違いますが…父親の時に一度ブームが来て、そこから競合も増えて落ちているのですが、そこをもう一度超えたいなと思っています。
一般的にあまり知られていないカタログギフト業界の今を知ることができ、とても興味深いインタビューでした。JOC活動にも熱心に取り組まれ、「尊敬する父を超えたい」という熱い思いを語っていただきました。
加藤さんありがとうございました!
株式会社加藤商事
〒602-8042 京都市上京区油小路通下立売下ル西裏辻町255-2
TEL:075-741-7583 FAX:075-741-7584
ECサイト:https://kotogift.com/
※「京を知るカタログギフト」は1冊6,000円(税抜き)
リーダー:荒木 正登(東九部会)
撮影:林 良輔(大津部会)
記事作成:山下 徹(長岡部会)