Report 事業報告

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Report 2024.09.17

■事業報告 令和6年度 第2回組織力向上事業「人も会社も育てる人事評価」

■事業名

令和6年度 第2回組織力向上事業「人も会社も育てる人事評価」

 

■開催日

令和6年9月3日

 

■開催場所

コミュニティバンク京信本店3F 京信ホール

 

■参加者

JOC会員:110名

コミュニティバンク京信職員:1名

 

【下記本文】

京信ジュニア・オーナー・クラブ第23期組織力向上委員会では「Colors」というテーマを掲げ、JOC会員企業の組織力向上・企業価値向上に役立つ事業を行っております。

https://jr-ownerclub.jp/committee/com-sosiki/

 

これまで組織力向上委員会では

第1回で「組織にとって大切な経営者の考え方」についてみなさんと考えました。

https://jr-ownerclub.jp/report/434/

 

第2回で「強い組織になる方法」についてみなさんと考えました。

https://jr-ownerclub.jp/report/924/

 

第3回で「組織に人をお招きすること」についてみなさんと考えました。

https://jr-ownerclub.jp/report/1309/

 

そして今回、

第4回として「組織と人が育つ評価」について学ぶ機会を設定しました。

 

十人十色という言葉が表すように、ひとりひとりがさまざまな色をもっていますよね。そのようにさまざまな色を束ねて描きたい組織像を実現する。そのために必要なこととはどのようなことだと思われますか。その手法のひとつが今回のテーマである「人事評価」ではないかと思っています。

 

 

本事業では、神戸大学経済経営研究所 准教授 江夏 幾多郎先生を講師としてお招きし、講演とトークセッションの2部構成で、中小企業にとっての人事評価について学びました。

 

 

【第1部:ご講演】

「人も会社も育てる人事評価」をテーマに江夏先生よりご講演を頂きました。大学院レベルの内容を丁寧にかみ砕いてご教授くださいました。

評価するうえで大切なことは従業員とのコミュニケーションをしっかりとること。評価制度を作ることが目的ではないこと。評価を労使の双方が納得することが重要であること。など、われわれ中小企業が人事評価をしていく上で押さえるべきポイントについて学ばせていただきました。

 

 

【第2部:トークセッション】

トークセッションでは江夏先生を交えて、人事評価制度を導入していない委員メンバーと導入している委員メンバーが登壇し、実際の人事評価について実情と本音を交えて語り合いました。

 

 

ファシリテーター

丸太町部会 加藤会員

登壇者

西陣・北野部会 柴崎会員

壬生部会 篠田会員

長岡部会 辻会員

東九部会 橋本会員

嵯峨野部会 森本会員

 

それぞれの会員が自社の課題について忌憚のない、本音の課題について語りながら、先生にアカデミックな目線で課題を整理していただくことで、第1部の内容をより現場目線で学びなおすことができました。

 

 

終盤の質疑応答の時間では、参加してくださった会員から新しく設定した人事評価制度についてご質問頂くなど、みなさん非常に熱心に本事業にご参加いただきました。

このような質問をいただき、うれしく思うと同時に、人が人を評価することの難しさとその意味について改めて考え直す機会となりました。

 

 

【謝辞】

最後に謝辞を述べさせていただきました。

画一的な制度を設けて、平等に評価することこそが正義であると考えていた私にとって今回のお話は目から鱗が落ちるようでした。

 

企業によって、従業員数、職種、勤務体系、役職の有無、そして組織文化などの条件は異なるため、人事評価に「ひとつの正解」は存在しません。各企業は、その独自の条件に合った評価基準を設ける必要があります。

 

また、人事評価は単に制度を適用し、定められた基準で評価することが「正しい」とは限りません。大切なのは、評価者と従業員が双方で納得することです。そのためには、評価に至るまでのコミュニケーションが非常に重要です。納得感のある評価を実現するためには、透明で信頼できる対話が必要です。

 

さらに、人事評価は過去の実績を確認するだけではなく、未来に向けて目指すべき方向を整えるための手段でもあります。つまり、「一定の基準を満たしているかどうか」ではなく、「今後どの方向に進んでいくのか」という視点を持って評価を行うことが重要です。

 

 

 

 

評価する側が人ならばお相手も人なのです。

つまり、人に対するパラダイム(モノに対する見方や考え方)は相互理解であって然るべきなのです。

江夏先生のおっしゃった「評価した後のほうが大事」という言葉は評価が一方通行ではないことの表れではないでしょうか。

ご参加いただきました方にとって「人事評価」という言葉のイメージが少しでも変わり、ご自身の組織にとって変化の1歩目となればこれ以上ない幸いです。

 

 

「組織にとって大切な経営者の考え方」「強い組織になる方法」「組織に人をお招きすること」「組織と人が育つ評価」についてここまで皆さんと一緒に考え、学んでまいりました。

次回もどうぞお楽しみに。

もしよければ委員メンバーまで感想をいただけると嬉しいです。

 

文責:組織力向上委員会 副委員長 寺尾 誠一