Report 2024.10.07
■事業報告 令和6年度 第2回研修交流事業 京大変人講座JOC特別版 「不便益のススメ」~不便がもたらす利益とは?~
■事業名
令和6年度 第2回研修交流事業 京大変人講座JOC特別版
「不便益のススメ」~不便がもたらす利益とは?~
■開催日
令和6年9月24日
■開催場所
QUESTION(クエスチョン) 7F Creative Commons
■参加者
105名(JOC会員:80名、コミュニティバンク京信役職員:25名)
研修交流委員会、河原町部会の前田です。
令和6年度 第2回研修交流事業京大変人講座JOC特別版にご参加いただき、誠にありがとうございました。
今回は『不便益という発想』『不便益のススメ』などを著書に持つ京都先端科学大学 工学部 機械電気システム工学科 教授の川上 浩司先生と、前回の京大変人講座でもお馴染みナビゲーターの越前屋 俵太 氏にご登壇頂きました。
まず初めに、三方代表幹事より「京都大学の型にはまらない自由な物の考え方は若手経営者が成長する大切なスキルとなるはずです」との挨拶をいただきました。
次に、研修交流委員会 奥委員長より本事業の趣旨説明がありました。
後期より委員会メンバーになった吉祥院部会の中川委員が堂々たる司会進行を務めてくれました。
最初に越前谷 俵太氏(以下親しみを込め俵太さん)が先に登壇され、自身のプロフィールを説明された後に川上先生が入場され講座がスタートしました。
タイトルにある「不便益」の意味について噛み砕いた説明があり「不便で良かったこと」これを逆に言えば「便利にしちゃうと残念なこと」「手間入らずにすると残念なこと」という事で、事例をあげていただきました。
駄菓子の「ねるねるねるね」を『練っときました』
→練って作るのが楽しみな商品の練る工程を省いてしまう残念なこと
模型の部品が月一で販売されるディアゴスティーニの『一括お届け』
→毎月組み立てていくのが楽しい商品なのに完成版を届けてしまう残念なこと
旅行(完全)代行サービス
→旅行会社が旅の予約だけでなく、『あなたの代わりに旅まで行っちゃう』残念なこと
次に、「不便で良かったこと」(不便益のデザイン)の一部を紹介していただきました。
足漕ぎ車いす COGY
動く片足で漕げば自然と動かない足も動き、リハビリ効果が生まれる
デコボコ園庭
園児がいきいきして遊ぶ
セル生産方式・製品を一人でアセンブル
全体の生産能力は落ちるが、個人の生産技術は向上する
観光学
行きにくい不便→わざわざ行く 船で渡る旅館など
U字型国際支援
すべてを支援するのではなく、なんとかする過程で現地のユーザーやパートナーを発掘する
シャアドスペース
信号機、標識、路面表示をすべて撤去した道路でアイコンタクトのみで移動
歩行者、自転車、自動車誰もがお互いに配慮しながら慎重に動く空間
様々な説明していただき、俵太さんから会場へ身近な不便益を考えてくださいとの投げかけがありました。
会員の方から「園児の危険な川登り」や「電子メニュー(タブレットのメニュー)は残念では!」「建物などの情報をあえてなくし、使う人が自由に書込めるマップ」「多品種小生産」などの事例が発表され、川上先生からより良い不便益へのアドバイスをいただき、会場が盛り上がりました。
この不便益とは「物事が合理的に進まず、不便だからこそ自分で手間をかけられたり、工夫をしたりして出来る益」という事で、川上先生と俵太さんとの掛け合いを通じて、分かり易く説明をしてくださり、経営者としてのスキル向上へのヒントをいただけた研修事業になりました。
最後に、杉本副代表幹事より「慣れ親しんだ人と関わる安心感より、あえて知らない人と関わる事で得られる益があると、本研修で学べたように思います。また今後のJOC活動にも取り入れていき、さらに価値ある会にしていきたいです。」との締めの挨拶で講座は閉会しました。
この後、前回と同様に、講師を交えてJOC会員とコミュニティ・バンク京信の役職員の皆様で交流の場「変人カフェ」を開催し、不便益について語り合ったのちに、定刻にて閉会しました。
今回、当初の予定会場からの変更により、定員制限が発生してしまい参加出来なかった会員の方がおられましたら、ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。
次回の「特別研修」が研修交流委員会のファイナル事業となります。奥委員長を筆頭に委員会メンバー悔いの残らない精一杯の企画・運営をしていきますので、次回もよろしくお願いいたします。