Member’s InterviewNo.0012 今西 建太
Web・ITを通じて、地域の振興や課題解決に貢献する
今西 建太 imanishi_kenta
皆さんこんにちは。いつもオフィシャルサイトをご覧いただきありがとうございます。洛南部会・総務委員会委員の古市谷(コイチタニ)です。
今回は、京信JOCのホームページを制作していただいている河原町部会の会員さんをご紹介させていただきます。株式会社デイアライブ 代表取締役 今西 建太さんです。
Web・ITを通じて、地域の振興や課題解決に貢献するために、複数の事業運営をされております。
ホームページ:https://dayalive.jp/
SURGE +α(デジタル人材育成・支援領域):https://surge.onl/
ENJOY KYOTO (Web版):https://enjoy-kyoto.net/
主な取引先としては下記のような会社から依頼されております。
確たる実績とビジョンを掲げ、急成長された会社の事業戦略や、その代表の今西さんの考えを知りたく、取材させていただきました。ぜひ、ご一読ください。
お仕事について
記者:本日はお忙しい中ありがとうございます。まずはお仕事について教えてください。
今西:よろしくお願いします。まずはじめに、近年、Web・DX(デジタルトランスフォーメーション)などによるAIやIoT、ビッグデータを用いて、業務改善や生産性向上していきましょうという事を世間ではよく言われていますが、そもそもそういったデジタルを上手く活用できる人材が少ないと日頃思っておりました。
記者:確かに、様々なITツールがある中で、まずそのツールの存在すら知らない人やツールをどう使っていいかなどがわからない人が多い気はします。
今西:ですよね。私は、2006年に立命館大学卒業後、ソフトバンクに就職し、東京で仕事をしていました。ただ、2010年ごろに母親が体調を崩し、京都へ帰省しないといけない状況になり、帰省したタイミングで、色々と人生について考えるようになりました。上記のようなデジタルを上手く活用できない状況を解決したいなと思い、私含めて、2人の友人と一緒に会社を立ち上げました。
記者:やはり、東京と京都では、ITに対するリテラシーの違いはあるかもしれませんね…
今西:はい。その中で、「ホームページ制作屋さん」だと言われるんですが、ホームページだけを制作している訳ではないんですよね。
記者:と、いいますと。
今西:社内でも、綺麗なホームページサイトであれば無理にホームページをリニューアルしなくてもいい。制作をやりたいんじゃなくて、「そこに人を呼び込んだりするにはどうしていけばいいかの課題を解決する事が大切である!」と日頃から伝えています。
記者:なるほど、深いですね!!!
今西:そういう意味では制作をする前段階が非常に大切で、人を呼び込むためのデジタルマーケティング全般をサポートする企業として活躍したいと思っております。
記者:私も今西さんと考えている事が似ていると思っているので、言いたい事がかなり分かります。
今西:よかったです。一例を出すと、弊社では観光協会の方とお仕事をさせていただくことがあるのですが、以前は同業者組合などのような誰もが納得する施策しかできなかったです。ただ今のDMOという組織では、一部の反対意見が出ても、ターゲット顧客に「刺さる」施策であれば、進めていける組織に変わりつつあります。
参考:京都市観光協会(DMO KYOTO):https://www.kyokanko.or.jp/
今西:そんな中で、京都では「留学生を増やす」ためにはどうしたらいいかという課題に対して、弊社では、WebやITなどを通じて、解決できる施作を提案したりなどしております。
記者:もうホームページの領域を超えて、プロジェクトリーダーみたいな役割を担われているんですね。凄い!
今西:そういった中で、簡単に事業の事を話すと…
ソリューション提供領域
Webサイト・アプリ開発・翻訳・デジタル環境最適化など課題解決できる事をサポートしております。翻訳は弊社に弊社内に外国人の方も在籍しているので、人に伝わる内容で翻訳しております。デジタル環境最適化はホームページでいうと日本ではサクサク閲覧できますが、海外で見ようとすると、ホームページの動きが遅いなどよくある話で、海外でもサクサク動くようにサーバーを整えたりします。
デジタル人材育成・支援領域
こちらを始めようと思ったきっかけが、よくある話だと思うんですが、発注者がITリテラシーがない場合、業者に丸投げする企業があり、丸投げしたあげく、結局、何千万と資金投入したが、上手く運用できず、その施作が終わったなどがあり、発注者でもわかるIT知識を理解してもらいたいという想いから、Web・ITが学べるプラットフォームを作りました。
SURGE 紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=xroJDVM2v28
上記のサービスサイトを通じて、ワンストップで必要な知識を得る事ができ、便利なマーケティングツールが活用でき、直接アドバイザーに相談ができます。
メディア領域
JOC 河原町部会の徳毛さんが運営されているENJOY KYOTOという外国人向けのフリーペーパーのWeb版を運営させていただいております。
記者:すごいですね!聞いているだけで、ワクワクしてきます。今、ものすごく企業成長されている中で、沿革といいますか、どのように、企業が発展するために、取り組んで来られたのかお聞かせいただけますか?
沿革について
今西:はい。2024年6月で13期目が終わり、今年で14期目を迎えます。起業当初から4年目くらいまではとりあえず、売上を伸ばす事に必死でした。27歳で会社を設立し、友人2名と私の3名で始めた会社で、最初は「ノリと勢いでいけるやろー」と思っていたのですが、ナメてました(笑)
記者:ナメてはいないと思いますが(笑)起業したては皆さんノリにノっていらっしゃたのかもしれませんね。
今西:前職がソフトバンクとお話しましたよね。その当時ボーダフォンを買収した時期だったので、会社全体も携帯電話事業でガンガン企業成長するぜみたいな感じでしたし、CMもガンガン打ち出されていたので、営業も順風満帆でした。その勢いで起業も問題ないと思っていたんですが、会社の看板で働いていた事を痛感して、必死に、ソフトバンクホークスの仕事もらったり、芸能関係に知り合いがいたので、そこから受注したりなど、とにかく必死でした。その約4年間が一番必死に全力出し切ったと言い切れるくらい必死でしたね。
記者:努力の結果、観光協会を中心に数々の有名な企業と取引されているのが本当に凄いです。ずっと役員さん含めて3名でされていたのですか?
今西:お褒めの言葉、ありがとうございます。ずっとではなく、4期目に1人従業員を雇用しまして、5年目くらいに一気に従業員を5名採用しちゃいました!(笑)
記者:一気に5名はすごいですね。
今西:今考えると「勢いでいったなー」という感じなんですけど、京都だけでなく他の地域でも仕事の受注が増えてきたので、その時は人を増やせば、なんとかなるだろうという感じでしたが…そうじゃなかったんですよね!
記者:従業員の育成などが大変だったのですか?
今西:かなり大変でしたね。特に制作などにおいては、自分たちがやってきたやり方がWeb制作経験のある従業員と全く異なりすぎて、プロジェクトが上手く進まないなど、それぞれのやり方が違うため、上手く連携が取れないなど様々な問題に直面しました。
記者:経験者を雇用する場合、そういう問題起きがちですよね。
今西:そこから社内育成のために、役員3名が土曜日に集まって運営会議するなど仕組みを作るために、1-4期目くらいまでは仕事を受注するのに必死でしたが、5-8期目は、社内の仕組み化に対して、試行錯誤しておりました。
記者:その社内の仕組み化というのが、なかなか実作業をしながらだと難しいと思うのですが、重要ではなく緊急ではない所の時間を注ごうとする戦略が凄いですよね。
今西:ありがとうございます。それから、社内・社外でも人材育成できるようにeラーニングのプラットフォームを9期目くらいに作りました。早速販売していこうとした矢先で、コロナ禍が始まりました。
記者:インバウンドなどが急に無くなった事で、受注などはどうなりましたか?
今西:観光協会など公的な機関からの仕事をしていたので、10-12期目はかなり苦戦しました。JTB様なども仕事がなく、自身でワクチン接種の対応などをされていたくらいなので、仕事の受注はかなり苦しみました。
記者:大変だったんですね…
今西:私たちの仕事は、営業をかけてすぐに売上が立つようなビジネスモデルではないので、1年かかるような案件もありますしかなり辛い状況だったんですが、コロナも終息していき13期目には、ある程度状況が回復されてきました。
記者:その間、従業員様などは勤務されていたんですか?
今西:コロナ禍でテレワークを導入し、今では逆に会社に従業員が来るような状況は少なくなりました。月2回ミーティングをする際に出社するくらいで、作業は家などでしているパターンが増えました。同業種では、従業員を解雇されているパターンもありましたが、弊社では誰一人辞める事なく、今も働き続けてもらっており、規模も縮小せずに取り組んできたので、今期は非常に調子がいいです。
ターニングポイント
記者:今西さんのお話聞いているとかなり勉強になります。そんな中で、これがターニングポイントだったというのはありますか?
今西:私たちは案件内容によりますが、一案件数百万円から数千万円まで制作依頼が来ます。その中で、起業して間もない頃に、京都市観光協会などからの仕事を受注できた事が大きかったです。その実績が評価され、他の案件も獲得できるようになりました。
記者:その誰もが知るような大手の会社と繋がれるというのが凄いですよね。
今西:それは、前職のソフトバンクで働いた経験が活きているかもしれません。大手会社の社員さんであろうが、人は人だという事で、物怖じしなかったのが良かったのかもしれません。
記者:自分の起業当初と違いすぎて、圧倒されてます。では、少しお話を変えて、会社で面白い取り組みをされている事はありますか?
多種多様な取り組みについて
今西:月2回のミーティングのため出社必須にしており、スタッフ2名以上でランチに行った際はランチ手当1,000円を出すようにしています。ランチの時が一番話すかな?という事で、雑談をかなり推奨しております。
記者:2人というのが面白いですね。1人では手当は出ないということですか?
今西:出ません(笑)またプロポーザル制度で、従業員が自分の給与を申告する制度を半年に1回しております。申告した上で、役員3人と話し合い、査定した内容を話し合っております。
記者:自己申告制度を導入されている企業初めて出会いました。非常に面白い取り組みですね。
今西:1人が役割を複数持ち、14個の役割からどういう事をしたいか回答し、5段階レベルで評価していき、最終金額を提示してもらいます。
記者:皆さんどんな風に提示されるのでしょうか。凄く興味あります!
今西:色々と性格が出ますね(笑)謙虚にくる子もいれば、大胆に来る子、人それぞれの回答が見られるので、面白いです。また、副業についてや従業員内アンケートなど様々な制度を設けております。
記者:私たちもそういった制度を一度考えてみようと思います。ありがとうございます。まだまだお仕事のお話を細かく聞きたいんですが、時間もありますので、ご自身についてもお聞かせください。
*一般の企業と異なりとてもモノが少なく、整理されている印象のオフィスでした。
ご自身について
記者:元々、今西さんは、こういったIT業界に興味を持たれたきっかけなどありますか?
今西:ホームページにも記載しているんですが、私が初めてインターネットに触れたのは、父が購入してきたWindows 95のPCを使った、小学校低学年のころでした。ダイヤルアップ接続の、ピーヒョロローガガガーという音の先にあった、世界と繋がった感覚は、家と小学校というコミュニティしか知らなかった自分にとって、とても衝撃的な体験だったことを、今でも覚えています。
今西:それからたった10数年で、ダイヤルアップは光ファイバーになり、箱に入ったソフトウェアはクラウドになり、ポケットベルはスマートフォンになりました。この進化のスピードに、今まで出来なかったことが出来るようになるのではと、社会をより良くする可能性を感じたことがこの業界で生きていくと決めた理由です。
記者:Windows 95のPCなんて触った事すらないです!小学生低学年からパソコンに興味持たれるのは凄いですね。
今西:当時から「インターネットでアメリカ人とコミュニケーション取れるんや!」という衝撃があり、「インターネットってすげぇー!!」とシンプルに思っていました。インターネット使いすぎて、当時はかなり高かったので、請求が10万円を超える金額とかになり怒られていました(笑)
記者:(笑)
今西:その後、大学では、バンドをやりながら、自分たちの作った曲を自作のホームページに掲載したりして、自然に何をするにもITに触れる習慣が身についてました。
記者:バンドマンだったんですね。
今西:そうなんですよ。ワタナベ楽器店さん(河原町部会会員さんのお店)の所で、楽器を買ったり、スタジオ借りたりしてましたからね。
渡邊記者:ありがとうございます。
記者:生き様がカッコいいですね。ちょっと別の話にはなるんですが、ご親戚などは会社運営などされているんですか?
今西:祖父が父方、母方の2人とも、会社を設立していまして、お正月に親戚が集まった際に、いつも「仕事調子どうや?」みたい会話をしているのを聞いていたので、その影響もあり、起業したのかもしれません。
記者:事業を一緒にやる選択はありましたか?
今西:事業承継のような選択肢はなかったですね。自分がやりたい事をやるという感じで起業したので、選択になかったです。
記者:そうなんですね。自分のやりたいビジョンが明確なので、もうカッコ良くて、惚れ惚れします。それではご自身のことはこれくらいにしまして、JOCについても聞かせてください。
JOCについて
記者:JOCに入会されたきっかけはなんですか?
今西:きっかけは河原町部会の会員さんの馬杉さんですね。19期のころ、馬杉さんから第20期代表幹事もされていた株式会社どんぐりの木村さんがぜひお会いしたいのでお時間いただけないですか、とお声がけいただきました。
記者:意外なきっかけ!
今西:木村さんにWebサイトをかっこよくして欲しいと言われました。まずは木村さんが馬杉さんに相談されたのかと思いますが、いつのまにか木村さんと馬杉さんと3人で、QUESTIONの前に昔あったホテルお話させていただいた際に、話の流れで、コミュニティ・バンク京信 河原町支店の竹口さんをご紹介いただき、突然JOCに入会する流れになりました。
記者:凄いエピソードですね!今もかっこいいホームページを毎年作っていただき、ありがとうございます。こうやってインタビュー記事もかけるサイトなんで、会員様に楽しんでいただけるサイトになっていると思っています。JOCに入会してみてどうですか?
今西:最初は、JOCが事業承継メインの会合で、起業した身なので心配はたくさんありました。しかし、入会して何回か事業に参加させてもらっている中で、事業承継される方の独特の悩みを知った時に、学びがかなり多かったです。
記者:私も起業だったので、お気持ちはかなり分かります。
今西:でも、この年になって思うんですが、仕事以外で仲良くなるってあんまりありませんよね?最初から損得がある関係が多いとは思うのですが、JOCは仕事関係なく友達ができる所が非常にいい所だと思います。パパ友とは別かもしれませんが、フラットな人間関係を築けるのは、この場所しかないように感じます。とても素晴らしい会だと思っております。
記者:かなり共感できます。JOCの中で、尊敬している方などおられますか?
今西:卒業会員さんですが、河原町部会の眞鍋 英司さんです。前期の部会長なんですが、人を巻き込む力が凄いなと思いました。仕事では違うかもしれないですが、部会事業の時は、一人一人に電話して来て欲しいという想いを伝えておられたので、そういうのってなかなかできないじゃないですか?それを自然とやっている姿を見て、凄いと思ってました。
記者:熱量がすごく、JOC愛溢れる先輩ですよね。それでは、最後に、私が個人的に気になっている座右の銘を教えてください。
座右の銘
今西:社内向けのメッセージなどで絶対スライドなどでも最後に入れているんですが、全世界を変えるのは難しいじゃないですか!ウクライナ戦争終わらせてくれと言われても無理じゃないですか!でも、じゃあ、何もしないかと言われたら絶望じゃないですか?コロナ禍の時も同様でしたけど、小さい会社でも、20名くらいの会社でも、手が届く範囲、目が届く範囲で少しずつ良くなる事をしていこうという気持ちでいます。社名のデイアライブも「Day」「Alive」という意味のように、1日1日一歩一歩着実に進んでいきたいという意味を込めております。
記者:素敵ですね…
記者:親父には、その日暮らしやなと言われましたが(笑)着実に進めていくマインドを持って、スタッフ一同、同じ方向を向いて頑張って欲しいと思っております。
記者:もう感激です。1日1日を大切にする事に共感します。本日は、長時間のインタビューありがとうございました。また色々と経験談のお話を聞かせていただけると嬉しいなと思います。今後ともJOCのWeb・ITにおいての課題解決の際にはお力を貸していただけると幸いです。
株式会社デイアライブ
住所:京都市下京区五条通烏丸西入醍醐町290番地 京都烏丸五条ビル4階
TEL:075-754-8873
総務委員会取材チーム
リーダー
記事作成・インタビュアー 古市谷 達也(洛南部会)
インタビュアー 渡邊 幹太(河原町部会)
写真撮影 荒木 正登(東九部会)
アシスタント 林 良輔(大津部会)