皆様 こんばんは
11月も晦日を迎え、
いよいよ本格的に冬を迎えようとしております。私事で
恐縮ですが、弊店でのボラの腹子を、
カラスミに仕上げる色々を書かせて頂きます。
カラスミは、その起源を古代ギリシャやエジプトに発し、
安土桃山時代に大陸(明)より日本に伝わったとされています。
一節によると肥前国に訪れた豊臣秀吉公が、
カラスミを献上した領主にこの珍味の名前を尋ねたところ、
その形が、中国伝来の墨に似ているから
カラスミと命名されたのは、
少し有名な逸話でしょうか・・・
もちろん冷蔵庫の無い時代ですので、塩漬けし、
天日乾しする工程を見いだした先人の知恵と苦労により
その製法が確立されました。
まさに保存に対する試行錯誤の努力のたまものといえるでしょう。
そのカラスミ・・・既製品では切って味わうだけですが、
生のボラ子を求め、
まさに手塩にかけてカラスミに仕上げる工程は、
1年の内でこの時期しか味わえない、
料理人冥利に尽きる一連の工程です。
どの調理過程にも言えることですが、
素材に対する塩加減が最も難しいと常々思っています。
そして、このカラスミも、減塩が流れになっているようです。
腎臓を患っている方も、召し上がって頂ける程、
弊店のカラスミは薄塩(甘塩)でございます。
しかし最初は「これでもか!!」というほど
ボラ子をびっちり塩に埋もれさせ、脱水させることから始まる、
カラスミの製造工程、
これだけ見ていると、「どこが減塩なん?」って思われます。
しかし次に塩分
量を減少させる塩出しの工程となります。
つまり塩抜きとなるのですが、
これは勘と経験に頼るところが大きく最も注意を払います。
また、塩抜きの液体(さかしお)に工夫を凝らす事により、
魚卵特有のにおいを消して
これが大変ご好評を得ています。
そして熟成を待たずに、できたての切れるか、切れないかの
やわらかいできたてカラスミは、その概念を覆す程と、
恥ずかしながら賛辞を頂いております。
長々と、申し訳ございません。
最後に、尊敬する北大路魯山人先生の言葉、
「いいかね、料理は悟ることだよ、拵(こしら)えることではないんだ」
第18期の「言葉の宝箱」に綴らせて頂いたように、
益々精進したいと思います。
(万一 反響あれば、次号に続かせていただきます・笑・)
Cominng UP!!
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【講演】18:30~20:30
【会場】元 京都市立 立誠小学校 講堂
老舗企業の老舗たる核心を、拝聴できるかもわかりません。
出席でご登録の方、どうぞお楽しみに♪
暖房を用意しておりますが、どうぞ暖かくして、お出かけ下さいませ。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。