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ゴールド(金)を通して世界をみる

皆様 こんにちは。例会委員会 壬生部会の児島 賢です。

 

 私の本業は会計士です。一般に、「会計とは金銭や物品の出納を、貨幣を単位として、記録、計算、管理すること」といわれています。貨幣を単位とは、円やドルでモノの価値を換算することです。日本に住んでいる皆様は、無意識にモノの価値を円で換算して生活されています。もしここで、円ではなく、ゴールド(金)を単位としてモノの価値を判断するとどうなるのでしょうか?

 

 高級ワインを例にとってみてみましょう。2000年を過ぎたあたりから、シャトー・ラトゥール等のボルドー1級格付け高級ワインの価格が急騰しました。

 2000年ヴィンテージのシャトー・ラトゥール1本のプリムール価格は20,000円でしたが、2005年は65,000円、2010年はなんと105,000円になりました。高級ワインの価格は円でみるとなんと10年で5倍以上になったのです。しかし金を単位としてみるとどうでしょう。金の円価格は、2000年のワイン販売時は1,100円/g、2005年は2,600円/g、2010年は4,000円/gでした。よって、シャトー・ラトゥール1本を買うのに必要な金の量は、2000年のワイン販売時には18g、2005年には25g、2010年には26gだったことが分かります。すなわち、シャトー・ラトゥール1本を買うのに必要な円は10年で5倍以上に増えましたが、必要な金の量は1.4倍程度にしか増えていないのです。

 

 このことは、金でモノを買う力、すなわち購買力は経済環境が変わってもほとんど変わらないことを表しています。現在、量的金融緩和という掛け声のもとで世界中には紙のお金があふれています。そうした中で通貨を単位としてみると、ここ10数年間で、世界的に価値のあるモノの価格が高騰しているようにみえます。しかし、実質的にはすべての通貨の価値が下落しているとみるのが本質だと思います。

 

 金は、世界のどこの国でも共通の価値が認められ換金できる世界共通の価値基準です。したがって、その価格には様々な世界経済の要因が反映されます。その意味で、金は世界経済を映す鏡のような存在であるということができます。

 

 金を通して世界をみると今とはちょっと違う世界がみえてくるかと思います。

                        文責 児島賢(壬生) 代筆 吉村和洋(本店)

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※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。