まだまだ寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
交流委員会、洛北部会の阪村です。
ブログ更新の順番が回ってまいり、僭越ながら書かせて頂きます。
最近買いました本をご紹介いたします。
米国戦略諜報局(OSS) 越智啓太 監訳・解説 国重浩一 翻訳
北大路書房
アメリカで第2次大戦頃に配られた、潜入工作員向け妨害工作マニュアルの日本語訳と解説です。
サボタージュ=「破壊工作」「妨害工作」
残念ながら、007やM.I.P.みたいに通気口から忍び込んで爆破・・・的なのはありませんでした。
内容は、潜入工作員が敵組織の『 生産性を落とす 』方法が書いてあります。
大半は現場作業者向けの「使った道具を元に戻すな」とか、「燃料を残り少ないままにしておけ」などの地味ーーな感じの嫌がらせ集なんですが、
事務方向けの方法がかなり衝撃的でして。
というのも、私は何個かを既に実践しておりました・・・自分の会社内で・・・orz
さて大方、「安全・リスク対策」と「仕事のスピード」は反比例しがちかもしれません。
危機感を上手く煽り過度なリスク対策をとらせることで仕事の速度低下を招き、結果として敵組織の生産性を落としてしまおうという方法論です。
簡単にまとめますと
1.手順を増やすことで意思決定の速度を落とす
2.同様に行動に移るまでの速度を落とす
3.組織の空気を悪くすることで士気を下げる
的な事をしろと指南されていました。
あまり内容を書きますとこれから読まれる方にご迷惑ですので、帯を引用致しますと、
表帯
「日本の大企業や官僚制度が抱える問題の本質が驚くほどわかる本書。
『あるある本』として笑いながら 読んでいるうちにやがて楽しさは空恐ろしさへと変わる。」
裏帯
ホワイトカラーによるサボタージュ戦略
①形式的な手順を過度に重視せよ
②ともかく文書で伝達して、そして文書を間違えよ
③会議を開け
④行動するな、徹底的に議論せよ
⑤コミュニケーションを阻害せよ
⑥組織内にコンフリクト(対立)を作り出せ
⑦士気をくじけ
これだけ読んでもまあまあ嫌な予感がしませんか? ③とかなんでだめなのか?
これらの解説も詳しく書かれています。
会社と社会に良かれと想ってやっていたことが実はサボタージュマニュアルに即していたなんて・・・
事故や失敗を恐れるあまり再発防止策をいたずらに増やしますと、手順が複雑になって仕事のスピードは低下してしまいます。
「十分なリスク管理」、「コンプライアンスの順守」、「石橋を叩いてわたります」
これらを実践されているとは、なんとも良心的な立派な企業ですよね。
しかし、それらは、決定速度を遅らせ、組織の生産性を落とし、ひいては経済の停滞を招く一因になっているのかもしれません。
もちろんリスク管理も重要ですので、これからは「スピード・生産性を落とさないでリスク管理をする方法」を取捨選択するべきかと反面教師的に大変勉強になった次第でございます。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。