本店部会の鈴鹿です。
特別委員会の第三回おもてなし事業として、所沢の石坂産業株式会社さんに寄せていただきました。
現在の社長さんは、創業者のご長女でいらっしゃる、石坂典子さん。
所沢の野菜はダイオキシンにおかされているという誤報道からのバッシングの最中に社長に就任され、脱産廃を掲げて産廃の持っていた「きつい・きたない・こわい」を脱するのに成功されています。
土地の八割が里山、地域活性化もめざし、また集めたゴミの95%はリサイクルされているとのこと。
実際に寄せていただいた工場は、たしかにゴミを集めてくるので埃や音などはありますが、囲いや防音壁で徹底して管理されている上に、さらに森に包まれています。
見学通路から拝見する中の様子も、きちんと整理整頓されているからか、クリーンな印象。
働いていらっしゃる方のプロフィールが掲示されていたり、私たちが通るとマスクを浮かしてまで手をとめて笑顔で挨拶をしてくださるのには、驚きとともに好感を一気に抱きました。
社長の考えであった、企業のイメージ向上が、ここまで浸透しているのですね。
また、中の設備も大きなショベルカーを電気で動かすなど、地球環境にも現場環境にも配慮がなされていました。
かつては「あそこの子とは遊ばないでおきなさい」とまで社長自身が言われ、働きたいという若い方も未だに少ないという業界だそうですが、生き生き働いていらっしゃる皆様や清潔な現場を目にすると、そうした偏見もなくなりますね。実際私も「ゴミを扱う」というだけで縁がないように思っていましたが、考えてみたら私たちの出すゴミを最後になんとかしてくださっているところ、そんな風に思っていたのが恥ずかしくなりました。
重機も多いですが、手作業の工程もあります。
手でひとつひとつ自転車などの部品を分別してくださっている姿に、かつて石坂社長が「私たちの仕事は社会を支えている大切な仕事」と再認識されたのも頷けます。
社長のご講演からは、お仕事も家庭も愛されているあたたかさと、パワーを感じました。
焼却をやめるという縮小経営の決断の潔さと難しさ、また、何よりも社員全員の情報共有をされることを大切にされていることなど、学びもたくさん。何よりも大切にされているのは、人の心の気がします。
「人と地元を大切に」という経営理念のもと何百年先も八ッ橋が存在して食べる人が笑顔になる、というのを目標に掲げている当社と、共通点が多くありました。
同じ女性の跡継ぎとして、また同じように現場仕事が出来るわけでは無いというコンプレックスを抱いた時期があった者として、社員さんに思いを伝える方法についてもアドバイスもいただきました。
お話を伺ったあとに靴を履こうとすると、里山や森を歩いて白くなっていた靴が、きれいになっていました。こっそり、講演中にすべて拭いてくださっていたのです。
そこまでのお気遣いに最後まで気付きの連続となりました。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。