交流委員 洛北部会の阪村です。
再びブログ担当をさせていただくことになり、僭越ながら書かせて頂きます。
前回取り上げさせて頂いたサボタージュマニュアルは、敵組織の弱体化、非効率化、生産性低下を促す一般協力者向け妨害工作マニュアルでした。
その中で、「重要な仕事をするときには会議を開け」というのがありました。 効率の悪い会議は、決定速度を遅らせ、組織としての生産性を下げる効果があるそうです。
先日、研修委員会の早川委員長が、件のマニュアルによる「会議」について、ニュースサイトで取り上げてくださいました。 便乗する形で大変恐縮ですが書かせて頂きます。
ときに、人が集まって話し合うニュアンスの諺で、「三人寄れば文殊の知恵」 と 「船頭多くして船山に登る」 というのがあります。 前者はポジティブ、後者はネガティブなニュアンスですが、はて、沢山人が居たら良いのか悪いのか、相反するように感じます。
故事ことわざ辞典によりますと、
「三人寄れば―」;凡人でも三人で集まって相談すれば、文殊に劣らぬほどよい知恵が出るものだということ。
考えますに、「知恵が出る」ということなので、アイデアに関することのようです。
「船頭―」; 一そうの船に何人も船頭がいたら、船は山に登ってしまうようなおかしな方向に進んでしまうことから、指図する人ばかりが増えて物事が見当違いの方向に進んだり、うまく運ばないこと。
こちらは、「指図する」とあるので、おそらく指示か決定に関することのようです。
さて、会議によって問題が解決されるまでには、何個かの段階を踏むように思います。 諸説あるかと思いますが、私の勝手な考えで段階分けをさせて頂くと、
0、問題提起(議題)
1、分析
2、募集 (アイデアや解決案など)
3、精査
4、決定
5、計画
6、実行
前述の諺を各段階に当てはめてみます。
おそらく「三人よれば―」は、募集の段階についてのことと考えられます。 すなわち、多くの方の専門知識が集まるとより良い解決案が出るということだと想います。
そして、「船頭多くして―」は、決定の段階においてのことと考えられます。 あまり多くの方が決定に加わらると、混乱して方向性がおかしくなってしまう危険性があるということだと想います。
サボタージュマニュアルでは、
「重要な仕事をするときには会議を開け」、「迅速に決断するための簡略な手続きを認めるな」、「あらゆる決断に対する妥当性について懸念を示せ」
とあります。 すなわち、会議において決断の段階で妨害をせよと指示されています。
件の諺によりますと、問題解決には少人数が良い場合と大人数が良い場合があるということでした。 マニュアルではこれらの段階をあえてあやふやにし、”決定”されにくい会議を作ろうとしています。 妨害工作として「船頭多くして―」の状況を作ろうとしているわけです。
これらに対処する方法のひとつは、今現在会議はどの段階まで進んでいるのかを明確にしていくこと、そしてその各段階において、人数・人選など最適な環境にして行うことだと想います。
サボタージュマニュアルを読むことで、敵潜入員の手口を知り、妨害工作を阻止出来るようになれるかもしれません。 そして、身近な諺にこそそれらに対処するヒントがあると想います。
今回は、サボタージュマニュアルに関して、会議の段階と適正人数という点について私見を述べさせて頂きました。
くどい文章で大変失礼いたしました。お読み頂いてありがとうございます。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。