八月十六日。
京都では、毎年この日はお盆に帰って来られた
ご先祖様をお送りする大文字の送り火の日です。
盆の入りにお迎えしたご先祖様を冥府へお送りする慣わし、
各地でそれぞれの形があるのでしょうが、現代においても
こうやって伝わり継承されてきているというのは、
我々日本人が、京の町の方達が大切に思い残すべきと、
DNAが判断しているからなのでしょう。
私も小さい頃は、おばあちゃんがまだ存命だったので
一緒に嵐山の渡月橋辺りに、灯籠流しに行った思い出があります。今では川にお供え物を流すことはできなくなりましたが、
名残からでしょうか、市内の各川の橋のたもとには、
お精霊さんにお祀りしたものを、川に流す代わりに
まとめて引き受ける箱が用意されたりしています。
五山の送り火、実はこれまでじっくりと見る機会があるようで、
なかなかありませんでした。お盆休みを利用して旅行へ行ったり、
嫁の実家で帰ることもあり、京都でゆっくり過ごすことも
少なかったのですが、昨年久しぶりに送り火に手を合わせることができました。以前、ミレニアムの大晦日に見た以来だったかも知れません。
四十を過ぎ、子供もある程度成長し、いろいろなことを考えるときに、自分が今この世の中に存在しているということ、それはご先祖様や、自分の周りにいらっしゃる多くの方々の存在があってこそ、そういった方々への感謝、また目に見えないけれども八百万の神々が宿るともいわれる自然への畏怖、過去から未来へのつながりという遥かなる時間軸について、思いを巡らせるがちょっと多くなった気が致します。
(JOCの今期のテーマもそんなところからきているのかも…)
お盆という盂蘭盆会の風習の他にも、終戦記念日、広島、長崎のそれぞれ原爆の日。
また、私の両親は二人共が誕生月でもあり、家内も同じく八月生まれ。だから、八月は他の月と比べて一段と死生観について考えさせられる気もする。
特に今年はリオ・オリンピックも開催されておりますので、世界観や宗教やそれにまつわる戦争やテロのことなどもより一層考えさせられますね。
さあ、今宵もお天気は保ちますでしょうか。
保存会の皆様のご準備のもと、無事に送り火が灯り、ご先祖様が迷われずにお帰りになられますようにしっかりと手を合わせたいものです。。。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。