こんにちは。広報委員会の大西です。
私は扇子に関わる仕事をしておりますが、「京扇子」には実は定義があります。
それは扇面(紙・布の部分)の加工、扇骨(竹の部分)の加工、仕上げ加工を京都及びその周辺地域でしている事です。
その周辺地域というのは、扇骨の加工は、ほとんどが滋賀県の高島市、安曇川地域でされているからです。
先日、同業組合の研修旅行で、高島市へ行って来ました。
まず訪れたのは「道の駅 藤樹の里あどがわ」。http://adogawa.net
こちらには、高島扇骨を紹介する、扇子ギャラリーがあります。
こちらで、特別に扇骨作りの一部の工程の実演を見せて頂きました。
扇骨は両外側の2枚を「親骨」といい、内側を「仲骨」といいます。製作は親骨18工程、仲骨16工程にもおよびます。
国内製造の扇子のうち90パーセントは京扇子と言われており、その京扇子の骨はほとんどがこの高島で作られているのです。
藤樹の里で扇骨の勉強後、高島で珍しい水の文化があるということで、針江の「川端(かばた)」見学をさせて頂きました。
この地域は生水(しょうず)と呼ばれる湧水が豊富で、昔から大切に利用されてきました。川端とは、その生水が巡る水路やその水を生活用水に利用したシステムで、今もなお住人の方々は使われています。
案内をしてくれたガイドさん曰く、この水路は各家庭に繋がっているので、使うときに、次にその水を使う家庭のことを考えて綺麗に使うことが大切だとのことです。
京都の扇子屋の商売は、扇骨屋さんの頑張りなしでは成り立ちません。
またこの川端も、水を大切に、そして次に使う家庭のことを考えて使わないと成り立たない文化です。
このように、人は支え合って生きているのだと感じた一日でした。
※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。