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「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

皆さま、こんにちは。例会委員会の伊藤佳奈子です。

先日、休暇を利用してポルトガルに旅行しました。そこで印象に残った出来事をひとつ披露させていただきます。

 

ポルトガルへは日本からの直行便がなく、ロンドンを経由してポルトガルの首都リスボンへ向かいました。ロンドンからポルトガル航空という国営の航空会社を利用したのですが、その際、座席に置いてあったのがこの箱です。

中には軽食と飲み物が入っています。

夕方以降出発で2、3時間のフライトだと、たいていドリンクやサンドイッチなどを提供する無料のワゴンサービスがあります。

ポルトガル航空の場合、ワゴンサービスではなく軽食と飲み物が入っているこのバッグを事前に置いておくことでサービスにかかる時間と経費の短縮を図っているのだと考えられます。

そのほかには、乗務員がミネラルウォーターのペットボトルを持って歩いて回り、欲しい人だけに配っていました。

ヨーロッパ国内線にはまだ片手で数えるほどしか乗ったことはありませんが、こうしたバッグが事前に置いてあるのは初めての経験でした。

これなら自分の好きなタイミングで飲食できますし、要らないなら手に提げて降りることもできて便利です。国内線はたいてい狭いですから、そこで無理にワゴンであれこれ配って回るよりスマートだと感じました。

 

なぜこのサービスが印象に残ったかというと、日本の「手厚いサービス」と比較して興味深かったからです。

東京―大阪間のフライトでもワゴンサービスがありますが、フライト時間は1時間半ほど、離着陸前後15分は着席必須ですから、実質3、40分でこのサービスを終えなくてはいけません。

乗客数は倍以上、さらに機内販売も行いますので乗務員は常に忙しなく必死の形相です。また機内が揺れると途中でサービスを止めざるを得ません。実際、今回のフライトも天候が悪くサービスが中断し、出口で乗務員がジュースをお盆に載せて乗客にお詫びしていましたが、見ていて気の毒でした。

 

「飛行機内ではいろんな飲み物を配ってもらうのは当然のサービスだ」――だいたいの方はそう思っていらっしゃるのではないでしょうか。ですが、サービスの出し手も受け手も、過剰なサービスを少し手放せば双方にゆとりが生まれて、また別の満足が創り出せるかもしれません。

 

過ぎたるは猶及ばざるが如し。日本らしい「おもてなし」も大事ですが、サービスもお詫びも「ほどほど」でとどめておく勇気も必要なのかな、と思った出来事でした。


この記事の作成者:例会委員長 村山

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。