JOC

Blogブログ

尊徳記念館、見学!!

皆さん、こんにちは、東九部会のどんぐりの木村です。

先日、東京出張から京都に戻る時、小田原駅で途中下車して、尊徳記念館に行きました。
ボランティア解説員の方と、めちゃめちゃ話が盛り上がり、2時間半も滞在してしまいました(汗)




二宮尊徳の簡単なプロフィールです。

天明7(1787)年、栢山村(小田原市)に、二宮金次郎(にのみや きんじろう)として生まれる。
二宮金次郎が13歳の時に父が病死、15歳の時に母が病死。一家離散となり、金次郎は伯父 万兵衛家に引き取られる。
少年時代、昼は一生懸命働き、夜は遅くまで本を読み、儒教的教養と合理的精神を身につけた。
栢山の農民、二宮金次郎の徹底した理財の仕方は評判となり、小田原藩の家老 服部家から財政の立て直しを依頼され、見事に成功を収める。
その後、関東各地の細川藩、烏山藩、小田原藩、下館藩からも立て直しの依頼を受ける。
二宮金次郎は生涯を通じて、600もの農村復興を実現した。
天保13(1842)年、様々な報徳仕法の成果が評価され、幕府の直参(役人)に取り立てられたことをきっかけにして、二宮尊徳(にのみや たかのり)と名乗るようになる。
後年、弟子たちが尊敬の意味を込めて、二宮尊徳(にのみや そんとく)と読み習わすようになる。
安政3(1856)年、69年の生涯を閉じた。






~~~ 二宮尊徳の教え ~~~

報徳  すべての人、すべての物には、それぞれの良さ、取り柄がある。それを「徳」と呼ぶ。

至誠  まごころを尽くすこと、誠心誠意つくすこと。

勤労  物事をよく観察し、認識し、それをもとに知恵を磨きつつ働くことである。

分度  自分の置かれた状況や立場をわきまえ、それにふさわしい生活を送ること。

推譲  分度生活によって生まれた余剰を他人や社会、家族や子孫の為に活用すること。

積小為大  小さな努力の累積が、やがて大きな収穫や発展に結びつくということ。

一円融合  すべてのものは互いに働きあい、一体となって結果をもたらすという世界観。





~~~ 二宮尊徳を師と仰いだ日本の偉大な経営者たち ~~~


渋沢栄一   日本資本主義の父

安田善次郎  安田財閥の祖

鈴木藤三郎  発明王、特許王、砂糖王

御木本幸吉  世界の真珠王

豊田佐吉   トヨタグループ 創始者

松下幸之助  松下電器産業 創始者

土光敏夫   東芝 社長

稲盛和夫   京セラ KDDI 創業者






二宮尊徳が果たした偉業の中に、「五常講」というものがあります。

五常とは、「仁」「義」「礼」「智」「信」という儒教が重んじる五つの徳を意味します。
二宮尊徳は、「五常講貸金」という、当時としては、画期的な相互扶助金融制度を実施します。

金に余裕のある人が、金の無い人へ貸し出し基金を寄せる。これが「仁」。

借りた人は約束を守って、まちがいなく返済する。これが「義」

借りた人は、貸してもらったことを感謝する。これが「礼」。

金を借りたら一生懸命働いて、早く返済できるよう努力工夫する。これが「智」

金の貸し借りには相互の信頼関係が欠かせない。これが「信」



この五つ徳を守ることが出来る人だけが利用できるので、「五常講貸金」と名がついたそうです。





五常講は、今日の信用組合や協同組合と、内容が非常に似ています。

協同組合と言えば、農業協同組合(農協)や生活協同組合(生協)の印象が強いと思います。
世界で最初にできた生協が、1844年、イギリスのロッチデール公正先駆者組合だそうです。

ちなみに、五常講が発足したのは、1820年なので、二宮尊徳が世界で初めて、信用組合や協同組合の原型となるビジネスモデルをつくりあげたんだと思います。




京都信用金庫様にお借りした著書「コミュニティバンク論」の中に、二宮尊徳の記述がでてきます。

第一節 コミュニティバンクの理念  ①コミュニティバンクの源流(4ページ 14行目)の中での記述。


 ~~崩壊寸前にあった農村を再建する実践のただ中から、まったく独自の思想を生み出した人物がいた。
それが信用金庫の歴史のひとつの源をつくった二宮尊徳であった。


五常講から明治以後、頼母子講、報徳社、信用組合、信用金庫 という流れで、今日に至っていること。

二宮尊徳が築きあげた、五常講が無ければ、現在の金融機関の在り方が変わっていると思うと、少し恐ろしくなります。







五常講の最も大きな特徴は、物を担保にするのではなく、人間関係を基にした、人の心を担保にした貸金であるということ!!

二宮尊徳と、ある女中とのやりとりが書物に残っていました。


女中「私もお金を借りたいのですが、お給金は、かなり先の分まで借りてしまって、借りても返せないです。」

尊徳「あなたの仕事は台所で、毎日ご飯を炊いていますね。ご飯を炊くのに薪を五本使っていたら、薪を節約して三本で炊けるようにするのです。その節約した二本の薪を私が買ってあげます。そうすれば返済するお金が出来るではありませんか」

女中「でも、どうやったら薪を節約できるのでしょう」

尊徳「まず鍋の底の炭を落とすこと、そうすれば薪の燃焼がよくなります。次に三本の薪を鍋の底に丸く当たるように置く。そうすれば二本節約できます。十日で20本、百日で200本の節約になります。」


知恵を働かせ本質を見抜き、「モノの徳を生かす」という発想。素晴らしい限りだと思います。









物を担保にするのではなく、人間関係を基にした、人の心を担保にした貸金。
口で言うのはたやすいですが、なかなか、実際の目利きは大変だと思います。

この五常講の理念、創業開業支援に力を入れておられる、京都信用金庫様に、めちゃめちゃ繋がっているなぁ と、僕は感じました。





 

 

 


この記事の作成者:代表幹事 木村

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。