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現在の日本にとってどのような企業が求められているか?

企業研究委員会の壬生部会、児島です。

 

今日は、現在の日本にとってどのような企業が求められているかを、マクロ経済学の視点から少し考えてみたいと思います。

 

日本における現在の経済状況は実際どうなのか?

1 998年頃から実質的にはゼロ金利が続いている。

その頃からいわゆるデフレという物価が上がらない時代が20年間続いている。

 

このような状況下で、アベノミクスは金融政策を重視してデフレ脱却、経済再生を目指してきた。しかし、消費者物価指数の2%上昇を目指して、日本銀行が量的・質的金融緩和を実施しても物価は思ったように上昇せず、デフレ脱却にはほど遠い。

 

また、日銀の金融政策により、円安傾向になったが、利益が増えるのはグローバルで活動する大企業のみであり、国内中小企業の利益は増えず、実質賃金も上昇しない。また円安によりガソリン価格や生活必需品の価格の上昇を通じて庶民の暮らしは悪くなるばかりである。

 

そこで、もう一度ゼロ金利とはどういうことなのかに立ち戻って考える必要がある。

ゼロ金利とは資本を投資しても利潤の出ない状況といえるのではないだろうか。 なぜなら、金利とは、投資に対するリターンといいかえることができ、ゼロ金利とは、資本を投下して工場やオフィスビルをつくったりして得られるリターンがほとんど0%に近くなるということである。

 

リーマンショック以後、主要な先進国の政策金利はすべて大幅に低下し、ドイツの長期金利はほぼゼロ金利となった。このことからみても、世界で資本過剰により、徐々に新規の有望な投資先が見当たらない状況になりつつあるといえる。その中でも日本は、世界の最先端(15年から20年先)をいっていると考えるのが妥当ではないか。新興大国である中国でさえ金利は下落傾向であり、現在4%位であるが、資本過剰が行き過ぎるとどこかの時点でバブルが崩壊し、10年後、15年後にはほぼゼロ金利となっていくのではないか。

 

それならば、世界の最先端をいくゼロ金利状況の日本でどのような企業が求められているのか?

 

それは、アベノミクスが成長戦略の中で求めている資本の論理、大企業の論理を優先した企業ではなく、ゼロ金利、ゼロ成長の下でも豊かさを意識できる社会を維持(必要なものが必要な時に、必要な場所で手に入る豊かさをすでに日本は手に入れている)するため、従業員に雇用者報酬として付加価値を分配し、地域社会に貢献していく企業であると考える。

 

なぜなら、企業が利益を上げて内部留保しても、ゼロ金利下の状況では利潤をあげられる有望な新規投資先はほとんどないし、株主に還元しても再投資する先もほとんどないといえるからである。

 

長々と書いてしまいましたが、今年度、企業研究委員会では、企業にとって決して良いとはいえない現在の日本のマクロ経済状況下において、従業員に愛され、地域社会に貢献している企業にスポットをあてて、本日の未来工業を皮切りに、今後も訪問していく予定です。

 

皆様のご参加、心よりお待ちしています!


この記事の作成者:企業研究委員会

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。