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笠置ROCK!はその後どうなったのか…

こんにちは!JOC河原町部会、「笠置ROCK!」監督の馬杉です。

昨年8月3日、京信ホールで行われました【JOC河原町映画祭】では皆さまに大変お世話になりました。この上映会後、多くの反響をいただきまして、「笠置ROCK!」は大きく羽ばたくことができました。改めて、本当にありがとうございました。

それからもうすぐ一年、映画「笠置ROCK!」

そしてその舞台となった「笠置町」

映画の製作にあたり京信様に大変お世話になった弊社「CINEMA’sGIX」はどうなっているのか!

ご報告しなければと思いブログを書きました。

この映画企画をご存知ない方のためにさらっとご説明しますと、

2016年、人口約1400人、日本で2番目に人口の少ない町【京都府相楽郡笠置町】から、町を盛り上げたいという相談を受け、「町に誇りを取り戻す」「大きいコミュニティの構築」をテーマに、

【町民全員で映画を作る】という企画を立て、町のみんなで作ったボルダリング映画が笠置ROCK!です。

ではまず、「笠置ROCK!」と「笠置町」の経過を時系列に沿って記述して参ります。

2016年

9月  ・企画スタート ※当初町民参加者8名 よそ者が地域に関わる大変さを痛感

12月 ・撮影クランクイン(10日間) ※町民協力者400名に。「1人で歩けるやつは大体全員参加しとる」町民のおじいさんの言葉に涙(言葉自体はジョークと捉えてください汗)

2017年

3月 ・映画完成 町民限定試写会400名来場 

5月 ・ドイツハンブルク国際映画祭上映

 ・東京MOVIX昭島上映 スポーツ庁鈴木大地長官と対談イベント開催→スポーツ庁の参考事業に。

6月 ・イオンシネマ高の原公開 7回上映で920人動員→イオンシネマ全国興行が決定

 

8月 ・【JOC河原町映画祭開催】約400名来場 →以後、多くのJOC会員、金庫関係者が笠置町にお越しいただきました。

・映画の中で復活した「笠置祭り」が30年ぶりにリアル復活→2018年もやります!

9月 ・京都信用金庫が約30名の笠置応援団を結成。台風で大きな被害を受けたボルダリング河川敷エリアの清掃など、多くの活動をしていただく。→今年度も応援団の継続が決定しました。

10月 ・イオンシネマ封切り→イオンシネマ系列は2018年3月で上映を終了しました。

・京都国際映画祭上映

・東京国際映画祭上映 ※日本最大の映画祭。上映会場に、東京に嫁いだ笠置出身のおばあさんが来ておられて、「私の故郷が映画になったと聞いて絶対観たいと思って来た。故郷が頑張っていて感動した、本当にありがとう」と言葉をいただき、会場が大きな拍手に包まれました。

・ボルダリング人口0人だった笠置町にボルダリングスポーツ少年団が結成 ※少年団の先生は、映画の記事を見て、「人生のどん底だった頃、笠置の岩場に助けられた。その恩返しがしたい」と連絡をくれたボルダーの方です。

・ボルダリングが笠置小学校の授業に取り入れられる。

12月 ・笠置町のイベント「鍋ワングランプリ」昨年来場者1万人→1万5千人に。

・ヒロイン役のプロボルダー大場美和ちゃんが日本テレビクリスマス特番で「笠置町に恩返し」という企画で出演。撮影に町民200名が参加、同窓会のような雰囲気に。

2018年

2月  ・岐阜県恵那市笠置町という同名の町があり(人口1250人※自治体としては恵那市になります。ボルダリングエリアあり)、映画の舞台挨拶の場で両町代表が連携を宣言。「特産品シェア」「ボルダリング協会の連携」「少年団の交流」「共同イベント」など連携継続中。

4月  ・笠置町の公式観光HP完成。URLがkasagi-rock.kyotoに。涙

6月  ・スカパーほかCA/CS/BSで「笠置ROCK!」放映

というのが現在までの大まかな活動報告です。この2年間の「笠置ROCK!」のメディア露出は、

新聞記事110回/テレビ27回/雑誌掲載10回/ラジオ未集計/その他、海外では韓国の国営テレビで「新しい地域活性の取り組み」として特集をしていただきました。

「笠置ROCK!」は今後、地上波テレビ放映、web配信、単館上映、DVD発売と進んでまいります。

 

「笠置町」は、いいことばかりのように書きましたが、問題も山積みです。人口は1400人を割りました。高齢者の多い町ですから、これからも待った無しに進んで行くでしょう。悪いニュースも1~2月に流れました。しかし膿を出さないといけない環境ができたという意味では良かったと思います。4月から町が新しい体制を取ることができました。

ポジティブな事も生まれています。

・ボルダリングエリア週末利用者 1日あたり 2016年30~40名→2017年100〜120名に!(12月に調査)

めちゃくちゃ増えました!増加に伴い整備も進めています。

・笠置町内飲食店2016年4件→2018年9件に。民泊も増加予定

・雨でも遊べるように室内ボルダリング場施工予定

その他、観光事業であったり、色々な活動が盛んになりました。

一番変わったのは雰囲気です。笠置町の小学生は20数名、年齢性別もばらけていますから、まとまって外で遊ぶことが少なかったのですが、ボルダリング少年団が外で活動するようになり、子供達が集まって頑張っていると大人が寄ってきて、人が集まる場所ができました。

そしてバラバラだった町の意識が、「ボルダリングを先頭に、アウトドア全般ができる観光の町として推して行くんだ」という方向づけが、少しずつですが浸透してきています。

もうひと押しで町に新しい文化が根付くと感じていながら、次の手をどうしたものかと感じていたところ、京都信用金庫本店で2018年度の笠置応援団の発足式がありました。榊田理事長を団長に、本当に素晴らしい方々が集まり、JOCからは我らが大西部会長に来ていただいて、これまた部会の皆さんに迷惑かけそうだなと思いながらも、ワクワクしています!

最後に、弊社はどうなったのか。まず「笠置ROCK!」単体の収支で言いますと、まだちょっと赤です。でも今後の予定を完遂すると、トントンか、ちょっとプラスになります。

2016年、弊社は僕を含めスタッフ4人でした。

「笠置町で映画を作る。これでお金儲けは考えない、360度、町のためになる事をやる」

そもそも劇映画製作自体初めてですし、スタッフの不安たるや凄いものだったと思います。笠置に集中するどころか、まず内紛をどう収めるかでした。

「大丈夫、とことんやろう、やり切ったらなんとかなるから!」

ひどい言葉を言い放って僕は笠置に旅立ちました。笑

社長/営業/現場監督の僕が笠置に入り浸った4ヶ月間、売上はみるみる落ちて行きました。

11月からはスタッフ総出で映画準備に取り掛かり、会社はずっと留守。馬杉は電話も出ない。

撮影が始まった12月にはついに仕事0、売上0になりました。

年末、撮影を終えて、溜まり溜まった電話を順番にかけていきました。

大体3分の1の取引先に怒られ、仕事が無くなり、3分の2が待っていてくれました。

新聞記事やSNSで活動を知っていただいており、

「待ってたでー」「面白いことやってるなー」「仕事無いやろ、紹介したげるしな」

まさに「捨てる神あれば拾う神あり」拾ってくれたのは、それはもう「いい人」しかいません。変な話ですが、それから仕事がすごくスムーズになり、案件が増えて行きました。

また、今まで全く通らなかったコンペ案件が通りまくるようになりました。2017年は出せば通り、売上は倍増しました。(やり過ぎるとダメになる気がして2018年からコンペ案件は辞めました)

スタッフも今年4人増えます。面白いことに3人は出戻りです。新しい映画の話もいただきました。

 

ということで、長くなりましたが、笠置町と弊社は今もなんとか前向きに頑張っています!

また笠置町に遊びにきてください。本当にいい町です。そしていろんな問題を抱えている日本の縮図のような地域です。いろんな発見があると思います。

夏の催しものはこちら↓

8月4日花火大会

8月16日笠置祭り です!

あと、笠置町がクラウドファンディング を始めるそうです!マクアケというサイトで7月から掲載されているはずなのですが、ブログを書いてる時点ではまだ掲載されてないですね…笑 

気が向いたら見てみてください!

以上で報告を終わります。長文読んでいただきありがとうございました!

 


この記事の作成者:河原町部会

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。