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『第3回企業研究事業』 いまも未来もいつわりのない会社 株式会社ナベルをベンチマーク

事業名:平成29年度第3回企業研究事業 「いまも未来もいつわりのない会社 株式会社ナベル」をベンチマーク

内容:株式会社ナベル様を訪問しました

場所:株式会社ナベル

日時:12月7日(火) 13:00〜17:00

参加人数:68人

運営担当:企業研究委員会

報告作成:広報委員会 植田、根本

撮影:広報委員会 上田(成)、櫻井、森本

 


京都駅バス乗り場に集合し、バスにて移動。

移動中に1号車辻委員(長岡)、2号車西垣副委員長(洛北)より注意事項と案内がありました。


到着後、温かな歓迎を受け会場に案内されました。


司会 山内委員(洛南)による開会宣言と南部社長の紹介がありました。

続きまして南部社長より『今回、少しでも若い皆様の役に立つ事があればと思います。』というウェルカムスピーチをいただきました。

続いて、木村代表幹事から『今回の企業訪問は企業研究委員会よりナベル様へ行きたいという声がたくさん挙がり第6期代表幹事でもある南部社長に対して我々の尊敬の想いから実現した企業訪問です。』と挨拶がありました。

小柳委員長からは「今期のJOC、基本方針の1つにもある二宮尊徳の教え、『道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である』に着目し、人生の先輩としてJOCの先輩としてナベル様には若手経営者にとって今回の企業訪問は学ぶ事が多くあります。しかし、それらは自らが手を差し伸ばさなければ手に入る物ではありません、積極的なご参加お願いいたします」と趣旨説明がありました。


会社概要の説明を兼ねてDVDを鑑賞後、株式会社ナベルの社員様6名、(小石様、安田様、橋本様、吉田様、大藪様、横町様)の自己紹介がありました。

その後、屋上にて記念撮影をし、案内のもとに6班に分かれて社内見学をさせていただきました。

食堂・カウンターバー・コンパルーム


従業員同士がコンパルームで懇親できるようにビールの自動販売機が設置されていました。(1本目100円 2本目200円 3本目300円)

ナベル本社内に株式会社イフシーという別会社があり、定年退職された方の再雇用の場を提供されています。
会議室には社員の発案で京都市内の地名がつけられておりガラス張りで笑い声が聞こえるくらいの清音性が保たれていました。

その後、会場に戻り全員が揃ったところで南部社長の講演がありました。

会社沿革から始まり、人財の雇用について、世界の市場について、中小企業が世界で立派に生き残るには特化すべきである。
自社の方向性、進む道は自らの判断で自らの責任、だが自分だけでなく社員その家族の人生を背負う事である。
貧しい過酷な戦後復興の時代に生きて、仕方なく経営者として歩むことになり、稲盛和夫氏との出会いが考え方を変えてくれた。
 
社員のための会社、社員家族のための会社、地域のための会社を目指すこと。
南部社長は、信頼した友人の勧めなら間違いないと卵の自動選別機を、11年がかりで1979年に開発されました。

卵の選別機は日・米・欧の争い 特徴のある3国による特許などの裁判、避けられない国際化に今度は負けられない、企業は勝たなければならない。国際化は他国に倣うものではなく欧米の価値観がすべてではなく時代の変化で変わる価値判断を自分でする事である。と話されました。 

中小企業がしっかりしないと日本人として、京都人として誇りを持てなくなる。

以和為貴(わをもってとうとしをなす)

100m走、1人ずつの成績がふるわなくても、4人集まったリレーであれば優勝できる。
チームワーク、コミュニケーションが大切である。

と様々な内容についての講義をしていただき、自らが実践されているコアコンピタンス経営とは?を学ばせていただきました。

質疑応答の時間

松下さん(大津)

Q.特許発案者は誰がしていますか?
A.2〜3年前までは私がしていたが最近は社員もしている。

松尾さん(企業研究委員会所属京信用金庫職員)

Q.人財の雇用で助言をいただきたい
A.人口と共に変わりますが、中小企業の新卒採用は数名です。中途採用と人財採用会社を活用している。

岡田さん(東九)

Q.とても社内が綺麗ですが清掃について教えてください
A.毎週決まった時間に掃除をしている。会社の周りも社員さんが掃除をしている。
全て参加は任意で社員自らが積極的に行なっている。
しかし、ここに至るまでは簡単なことではありません、社長自ら率先し指示、命令、文化で行う事が大切(社風)

吉村さん(本店)

Q.チームワークについて人が増えて心掛けていることは?
A.規模が変わると、問題も変化するが皆で相談することが大事です。
ベクトルを合わす為、経営の意図を形にして伝える。
会社はお金を稼ぐ所だけではなく、共に生活をする場として伝える。

櫻井部会長(洛北)

Q.JOCなど組織運営で心掛けていたことを教えてください。
A.とにかく人を驚かせるのが好きで周りをビックリさせたい、社業でもお客様でもビックリさせたい、期待以上を提供したい。

上田広報委員長(洛北)

Q.卵の自動選別機の開発を勧めてきた友人はどのような方でしたか?そのような友人の特徴は?これはいけると思われた判断基準は?
A.自分がそのような人になる事で他人との関係を築けると思います。
結果の質だけ求めては仲間との関係の質が低下する。
まず関係の質から始まると、思考の質が高まる。
そして行動の質が変わり、結果の質が変わる。

渋谷交流委員長(長岡)

Q.飲み会でのコミュニケーション、飲みニケーションでどういう話をしていますか?
A.口八丁、手八丁がうまくいくとは思わないでほしい。飲みニケーションはテクニックではない。基本的に相手に好意と関心を持っているかが大切で、本心で相手と向き合うことが大切です。

川島さん(壬生)

Q.①新卒が良いと思わないが、よく愛社精神があると聞きます。中途採用と新卒採用の違いについて教えてください。
Q.②ボーナスの査定はどうされていますか?

A.①新卒でも中途でも気にしていない、縁があって入社してくれた社員が辞めてしまうという事は会社に魅力が無いと思われていること。それが問題である。
辞めるのは自然で私は退社していく社員に対して気を遣う。
最大で6ヶ月間、再就職の為にコンサルをしたこともある。その1名より残っている社員のことを考えないといけない。
社員全員が、退社する者への対応を見ている。
A.②社員は給料を求めている。決算に対し、明確な利益配分を20年間以上続けている。人事評価は5名の上司が行う。流れは本人と担当上司→統括部長→役員、その他に社長も人事評価に加わる。

真鍋さん(長岡)

Q.①良い経営者としての条件は?
Q.②経営者としてオススメの本は?

A.山岡鉄舟が「おまえの子分で、おまえのために命を捨てる者は何人いるか?」と問い、その時に清水次郎長は「私のために命を捨てるような子分は一人もおりませんが、私は子分の為にいつでも命を捨てる覚悟をしております」と答えた。この精神があれば会社はうまくいく。
A.②『ある少年の夢―稲盛和夫創業の原点』加藤勝美著

酒井担当幹事(南)

Q.①最近は卵に双子がないがなぜ?
Q.②世界への道、戦略について

A.①重量規制で重い卵を排除している。
A.②日本企業としての戦略として信条を持って行う。世界戦略は現在、欧米が5割、ナベルが2割。日本企業としてのやり方を貫く、そして世界一になります。

様々な質疑に対して南部社長は1つ1つ丁寧に応答して下さいました。

早川副代表幹事から『日本の優良企業への訪問で、初めてJOCの卒業会員企業へ訪問をさせていただき、南部社長の経営者としての気質、温かい空気を感じることができました。株式会社ナベル様の世界進出を祈念します』と謝辞を述べていただきました。

その後、参加者全員と名刺交換をしていただき、平成29年度第3回企業研究事業『いまも未来もいつわりのない会社 株式会社ナベルをベンチマーク』の幕が下されました。。

企業研究委員会の皆さま、ありがとうございました。


【担当幹事より】

企業研究委員会の担当幹事を拝命しております税理士の酒井敏行です。
広報委員会の皆様、臨場感あふれる詳細なレポートありがとうございます

私が、今回のベンチマーク事業で個人的に一番心に響いたキーワードが
『関係の質を上げる』 という言葉です

 講演の中で南部社長より、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の
『組織の成功循環モデル』についてお聞かせ頂きました。

この、ダニエル・キム教授の『組織の成功循環モデル』について
南部社長の講演のあと自分で調べたことも踏まえて少し解説しますと

 【結果】 【行動】 【思考】 【関係】

この4つのうち、普通は単純に【結果】ばかりを求めがちです。

しかし思うように成果が上がらず、『結果の質』が低下した場合には、
→人のせいにしたり、組織に対立が生じ、『関係の質』が悪化します。
→他者との「関係の質」が悪化すると、「なんやねん・・・」という不満が生じ、
仕事を面白いとは感じることができず
→自ら考えることをやめて受け身になってしまい、『思考の質』が低下
→自発的・積極的に行動しなくなり、『行動の質』も低下し、
→成果が上がりにくくなり、『結果の質』の低下を招きます。
これは悪循環・(バッドサイクル)です

 一方、『結果の質』ではなく、『関係の質』を高めるところから始めるのが大事
(グッドサイクル)です。


『関係の質』を高めるとは、いいコミュニケーションをとることで
メンバーの相互理解を深め、互いを尊重し、いっしょに考える。
→そうすると、気づきや面白さを感じることができ、『思考の質』が向上し、
→面白いと感じることで、自ら考えて自発的・積極的に行動するようになり、
『行動の質』も向上します。
→その結果として、『結果の質』が高まり、成果が得られ、
→その実績がまた信頼関係を強化し、
『関係の質』がさらに向上していく。


『関係の質』→『思考の質』→『行動の質』→『結果の質』→
この成功循環モデルをうまく回していく事が大事とのこと。



関係の質を高めるためには、南部社長からは
「その人に対して、強い好意と関心を持つこと」が大事だとお話し頂きました。

心に響きました!

会社見学をさせて頂いて、『関係の質』が向上する仕掛けが随所にありました

仕事でも、プライベートの友人関係でも、この心得は大切にしたいと思います。

このような学びの機会を与えて頂いた株式会社ナベル様には感謝いたします
ありがとうございました。

今後も企業研究委員会では、皆様に学びの多いベンチマーク事業を行っていきますので
皆様、ご参加お待ちしております

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この記事の作成者:広報委員会 植田

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。