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平成30年第3回企業研究事業 ベンチマークツアー 2日目【人を信じて信頼関係を大切にする株式会社吉川製作所をベンチマーク】事業報告

事業名:京信JOC第20期企業研究集大成ベンチマークツアー in 広島・島根
【人を信じて信頼関係を大切にする株式会社吉川製作所をベンチマーク】
 

内 容:工場見学の後、吉川製作所が大切する「人との信頼関係」と仕事に対する考え方を伺いました

場   所:株式会社吉川製作所

参加人数:  11名

日時:平成30年11月20日(金) 10時30分~12時00分 

運営担当:企業研究委員会

報告作成:広報委員会  長谷川
撮影:広報委員会 森本 


到着後、河原崎委員(洛南)より概要説明がありました。


冒頭、吉川社長から
「出雲市へようこそおいでいただきました。たくさんの企業の中から選んでいただきありがとうございます。丁度、神在月の只今、出雲神社に神様が集まり、全ての縁を結びつける会議が行われています。我々も、今日のご縁を大切にしていきたいと思います」と、ご挨拶をいただきました。

吉川常務より縁を繋いで頂きました河原崎委員とのコマ大戦に関するエピソードを伺った後、会社概要と製品、そして見学の流れを説明いただきました。
会議室を出た後、はじめに第一工場をご案内いただきました。

ここは小ロットの部品などを切削加工しています。

素材は多岐に渡り、ステンレス、鉄、銅など依頼があればなんでも受けておられます。


新しい機械はボタン式からタッチパネルのものに変わっていっているようです。もちろん、古いアナログの機械もまだあり、案件に応じて、新旧併用されています。

最終機械では取りきれないバリは手作業で取られるそうです。

第一工場が小さいロット商品なのに対して、第二工場は自動で材料を取り込んで完成品を成形する工場です。
作っているのはビールサーバーのコックや時計の部品などで基本的に24時間稼働しています。夜間は無人になるため、現在ネットワークカメラなどの導入を進めているそうです。

第三工場は今年の10月に建造されたところで、半分はまだ機械が搬入されていません。

この工場の特徴は、24時間温度管理が徹底されています。第一工場より機械を移動させる予定ですが、既に何工程もの切削工程を一つの機械でできるドイツ製の最新マシーンが配置されており、稼働していました。


工具の置く位置も線を引いて標準配置しています。


会議室にもどり、吉川社長から会社の歴史や理念、方針についてご講演いただきました。

「全ての機械は工作機械で作れられているため、マザーマシーンと言われています。
新しい機械など積極的な設備投資をすれば、勉強熱心な社員が使いこなしてくれます。
その結果、他社ではできないような精密で複雑な工作もできるようになっているのだと思います。」

と話され、吉川社長は社員を含む、人の幸せについて話をされました。

「社員あっての会社ですので、社員と社員の家族を大切にしたいと考えています。そして、工場拡大が決まった時に土地を提供いただくような近隣の人ももちろん幸せにする、それが会社の使命であると考えているのです。

私は採用する時、新入社員に『60歳まで勤めてください』と伝えています。おかげさまで、辞めていく人はいますが離職率は低いです。平均年齢は34歳で、特に新卒の人はやめた人はいません。そして、みんなに仕事を好きになってほしい、と伝えています」

「社員が、社員が」と繰り返し発言される吉川社長からは、従業員を大切にしている気持ちがひしひしと伝わりました。そして、話は吉川製作所が考える「仕事」について及びます。

「会社の目的は永遠に続く企業です。どんな時でも利益を出しつづける必要があるし、常に新しい分野を開拓するチャレンジが必要です。リーマンショックが起こったとき、私は仕事のない辛さをしみじみと感じました。仕事をもらうために、はじめて京都にも営業にいきましたが、あまり上手くいかず、あらためて『お客様が仕事を運んでくれる』と感じました。」


「お客様から仕事の相談や依頼があるのは本当にありがたい、そして、なんとしても応えたい」

このようにNoと言わずチャンジしてみる姿勢は、新しい分野にも挑戦しつつ、営業をしなくても、毎年一社は新しい取引先を増やしていっておられます。

ここからは河原崎さんとパネルディスカッション形式で話が進みました。
河原崎
:毎年機械を更新されるそうですが、リーマンショック以来ですか?

吉川社長:リーマンショックの前から毎年機械は更新しています。人よりも早く入れて、それを使いこなしていくことが大切だと思っています。

河原崎:吉川社長も機械をうごかすのですか?

吉川社長:私も少ししていましたが、どちらかといえば、今は仕事がくる体制をつくる、ということを意識しています。依頼や問い合わせがあったときに安心して仕事をもらえるようにしています。
難しい仕事を早く機械化して、利益を出していく。機械を入れたい企業はたくさんあるが、使いこなせないという企業は多いようです。

河原崎:ものづくりをしていると、設備投資が必要だとおもいますが失敗したと思うことはありますか?

吉川社長:精度が期待より低いこともあります。しかし、資金を投じるのでそれなりに使っていかないといけないですね。不安はありますが、なんとかなる、と思う性格なのかもしれません。(笑)

河原崎:機械の選定は社員からの提案もあるのですが?

吉川社長:現場からもありますが、常務が情報を仕入れてもきます。

社員も自分たちで勉強しているので、設備投資を失敗することはあまりありません。

そして、導入したいと思ったらすぐ入れないといけないと思っています。

河原崎:出雲市から島根市の観光列車のエンブレムを作られていますが、これを作るに至った経緯を教えてもらえますか?

吉川社長:「走りながらゆっくり観光できる列車を走らせる」ということで車両デザインなどが進む中、「エンブレムを金属でしたい」という案が出たようです。当社に相談があり、2ヶ月という短い期間でしたが、山陰のことですしなんとか地元工場でつくりたい、という思いでつくりあげました。
大型の金属エンブレムというのは非常に難しいのですが、コマ対戦などで目立ったようで『難しい仕事でも吉川製作所さんならなんとかしてくれる』と声をかけていただいたようです。
私は今使っているツールが変わり世の中のルールがかわると思っています。当社はいち早く対応してきたということが認められてきたのではないでしょうか

吉川常務よりコマ対戦の経緯についても伺いました。

吉川常務:
山陰の勉強会で長野と繋がりまして、実際コマ対戦で使用されるコマを借りることができ驚きました。精度を見るとこれは遊びではなく、各々の技術の結晶である、そう思いました。自社にはいい機械もあるし、いい腕もある、と自信満々でいきました。ところが本番、わん曲した台の上で回ることが出来ずに、自分達は最下位になりました、その時は悔しかったです。負けた悔しさからさらに研究するようになりました

河原崎:社長はどのように見ていましたか?

吉川社長:今までの仕事とは違うが、ものづくりとしては一緒だと思いました。
みんな残業して試行錯誤で作っている、意欲や発見がありすごくいいことだと思いました。コマ作りを通して、その先のものを掴むため創意工夫をする、そういったことに情熱を傾けることは素晴らしいと思います。

質疑応答


松下さん(大津)
Q.弊社は父が代表で、兄弟で仕事をしています。兄弟が故、問題を抱えることもありますが、吉川さんはどのようなことに気をつけていますか?

A.私も弟がいました。色んなことがありまして、25年前に弟は独立しました。私の息子兄弟は同じような境遇ですが、私の妻がよく育ててくれたと思っています。土曜日曜も自分は働くその背中を、息子達も見てくれていたと思います。兄弟お互い欠点を補いながら会社をすすめてくれると信じています。


松尾さん(京都信用金庫)
Q.機械設備を更新されている中で、購入される資金は補助金など利用されているのです?

A.すべて銀行さんからの借り入れです。島根財団から資金提供を受けていた時もあります、ここ20年は買取でやっています。リースもないですしものづくり補助金もつかっていません。それは補助金があるから機械を導入するのではなく、必要な時に入れるという考えを持っているからです。


長谷川さん(洛北)
Q.工場内のいたるところに「勉強」という言葉を見つけることができました。勉強会はどのようにしていますか?

A.月一回、不良品の対策や若手の社員へのフォローをしています。
細かい仕様は社員が決めて図面を用いて自分たちで考えるため、自主的に勉強する風土が根付いています。


児島企業研究委員より謝辞があり、ベンチマークは終了となりました。


最後に吉川製作所の皆様と記念撮影をしました。

企業研究員会の皆さま、ありがとうございました。

その後、中村ブレイス組と合流し昼食後、石見銀山を見学しました。


京信JOC第20期企業研究集大成ベンチマークツアーin広島・島根 事業報告アーカイブ(リンク)


この記事の作成者:広報委員会 長谷川

※本記事は、各会員が、思い思いに書いておりますので、京信ジュニア・オーナー・クラブの正式見解ではありません。