Member’s InterviewNo.0010 辻本 裕哉

Interview2024.04.30

ありがとうを量産する

Tsujimoto_yuya

  • 洛南部会
  • 第20期 入会
  • 有限会社グッドウッドKYOTO
  • 製造業(樹脂・ゴム切削加工品の製造)

皆さんこんにちは。口丹部会、総務委員の吉田将史です。

 

今回は、洛南部会に所属されている辻本 裕哉さんの会社へご訪問させていただきました。

当委員会の林委員長が洛南部会の忘年会にお邪魔させていただいた際、インタビュー対象者を募ったところ、部会員の皆さんから推薦されたのがきっかけです。ご協力いただき誠にありがとうございます。それでは早速、辻本さんの取材内容をお伝えさせていただきます。

 

 

お仕事について

記者:本日はお忙しい中、取材対応していただきありがとうございます。早速ですが、お仕事について具体的に教えていただけますか。

 

辻本:何を作っているのかといいますと、様々な種類のプラスチックやゴムを材料にした部品を塊から工作機械で削って、モノを作るっていうような仕事をしています。製造の仕方でいうと、大量に作る場合と少量を作る場合では加工方法が違いまして、我々がやっているのは少量の方になります。

 

記者:会社の強みはなんですか?

 

辻本:なんでもします、断りません(笑)

 

記者:すごい(笑)

 

辻本:元々樹脂しか扱っていなかったのですが、ゴム製品も扱えるようになり3Ⅾデータなどでは加工できない製品など、他社で製造をお断りされた製品も請け負ったりしています。

 

記者:ちょっと変わったものを今は作られているみたいですが、どういったものですか?

 

辻本:射出成型する前の試作品のご依頼をいただくこともあるのですが…今までは市販品の近しい材質の物を仕入れ、製作していました。

 

記者:なるほど。

 

辻本:ただ、同じ材質で作って欲しいという依頼が多く、自社でペレット(粒状の形をした合成樹脂)を固め、その試作用だけにブロック材を作ることもできるようになりました。圧縮成形で作るので材料の色が混ざり合わず色がそのまま残るので、ここでしか作れない材料になります。

記者:基本的にBtoBの取引が多いようにお見受けできますが、BtoCの取引もお考えでしょうか?

 

辻本:面白い材料はできて、興味を示していただくことは多いのですが…なかなか実現は出来ていないです。だったら自分たちで販売できそうな物を作ろうってことで、アクセサリーの母材や、昨今のゴルフブーム狙いでゴルフマーカーなどを作っています。マーカーは接着剤で固定しているのではなく線膨張ではめ込んでいるのですよ!

 

記者:これ接着剤使っていないんですね!しかも、一つ一つを削りで作っているのはすごいですね。

*洛南部会のゴルフコンペの参加賞で配られたそうです。

 

 

JOCについて

記者:入会されたきっかけはなんですか?

 

辻本:コミュニティ・バンク京信の支店長からお誘いをいただきました。経営者同士の繋がりを作るのは凄く大事だなと思い、入会しました!

 

記者:JOCに入ってよかったことはなんですか?

 

辻本:異業種の集まりであること、やっぱり人と人との繋がりですね、一番やりたかったことです。あとは、事業の講師のチョイスだったり、もう全体的にクオリティが凄いと感じています。

 

記者:印象的だった事業などあればお聞かせください。

 

辻本:スラムダンクの勝利学を著書とされているスポーツドクターの方の講演が印象的でした。

*第21期 令和元年度 第3回リーダーシップ研修事業
【フロー理論からの探究。自分がなれる最高のリーダーを目指すための心の状態とは?】

 

パーソナルな部分について

記者:今仕事以外でハマってることはなんですか?

 

辻本:ゴルフはよく行きます。あとずっと野球をやっていて、子供が少年野球をやっているので何もなかったらずっと野球をやっています。

 

記者:甲子園に出場して代表に選ばれたとお聞きしたのですが?

 

辻本:はい、平安高校のスタメンで準優勝までいきました。その後、日本代表に選んでもらってブラジルまで遠征に行きました。

*1997年開催 第79回 全国高等学校野球選手権大会で三番ファーストを務めていらっしゃいました。

 

記者:すごい経歴をお持ちで…大学も野球でいかれたのですか?

 

辻本:そうです。京都産業大学に入学しました。でも、その時天狗になってしまって…(笑) そこで勘違いしちゃったんです。遊んでしまって、大学では結果出せずに…

 

記者:そうなんですね。

 

辻本:はい。ただ、三回生の時に小学校からお世話になっている監督が大学でも就任されて、そこから根性の入れ直しをしていただき、四回生の秋に最終リーグ戦というのが開催されるんですが、首位打者ではなかったものの上位陣に食い込んでいました。でも、三回生の時には就職が決まっており、その当時はクラブチームもほとんどありませんでした。そんなときに大学側が交換留学をしていたので、「一年間アメリカに行って来たらどうだ?」とお声がけいただき、渡米しました。

 

海外での経験について

記者:渡米されたのですね。アメリカでベースボールはどうでした?

 

辻本:カリフォルニア大学リバーサイド校に「よしやるぞ!」って気持ちで、部活窓口に担当者の方と一緒に行ったら何も話が通ってなくて、「留学生は入れません」とその場で言われました。そこから交渉して、半ば無理で、途中帰ろうかとも思いましたが、帰っても仕方ないと思い、英語の勉強しながら自ら草野球チームを探し出して、所謂おっさんチームに入部しました。

 

記者:とんでもない経験ですね…

 

辻本:でしょう?(笑)そこからその地区のオールスターに選ばれて、MVPも取ることで、地域の若い子たちに声を掛けてもらうことが出来、「トライアウトがあるから来い」と誘われていくつも受けに行くことになりました。そこで最終的に合格したのがメキシコの独立リーグのチームでした。

記者:メキシコのチームはどうでした?

 

辻本:在籍は半年間だけでした。最初はトライアウトに受かりスプリングキャンプに誘われたんですが、行ったみたら100人くらい選手がいて、「いやいや、まだ、受かってないやん(笑)」ってなったのを覚えています。そこから2週間くらいキャンプがあって最終20人くらいの中に残りました。そこで食べたタコスがめちゃくちゃ美味しかったです。その後、翌年シーズンの契約をしていただけなかったため帰国しました。

 

記者:メキシコと日本の野球の違いはなにかありますか?

 

辻本:日本の野球って教育とか指導とか生活態度からとかそういう感じですけど、メキシコはゲームというか遊びの延長みたいな、楽しくやる感じですね。もちろん結果主義なんで、楽しいだけでは残れないんですけど、楽しいから努力するってマインドの違いはありましたね!

 

記者:そういった海外での経験を踏まえて仕事に活かせている部分ってありますか?

 

辻本:海外に行って、日本では当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃないことに気付けたことが大きくて、常識とかは誰かが作ったものでそれがすべて正しいとは限らないっていう視点で物を見れるようになったのが、凄く良かったなと思います。物事の本質はどこにあるのかとかですね。

 

記者:なるほど。

 

辻本:当時は、安く買って高く売るその利幅が仕事の価値だと思っていました。もちろん儲けなければならないんですけど、「本質は違うな」と気付いた瞬間に物事が上手くいくようになりましたね。喜んでお金払ってもらうためにはどうしたらいいか考えていくと、「仕事の仕方」だったり「お客さんの対応」だったり、行動し出すとお客さんも増えていきますし、どんどん宣伝してくれるのでそれが浸透するか、そういう風に働いてくれる、評価してくれる人が残ってくれてるんで、昔より変わってきたなっていうのは思います。

最後に

記者:最後に座右の銘を教えてください。

 

辻本:「喜び喜ばれ」

役に立ってありがとうって言われることが幸せの本質だと僕は思います。だから経営理念は「ありがとうを量産する」なのです。

 

記者:加工している従業員は直接エンドユーザーからありがとうと言われることがほとんどないので、ちゃんとフィードバックすることが大切ですね!長時間に渡り、ありがとうございました。

 

他にも見積り作業や日常業務のシステム化など様々なことに熱心に取り組まれ、勉強になることがたくさんありました。また、メキシコでの野球の経験など皆さんお見かけの際は是非とも一言声を掛けてみていただければ、辻本さんの魅力を知っていただけると思います。

 

企業名:有限会社グッドウッドKYOTO

住所:京都府城陽市市辺西川原84番地2

URL:https://goodwood-kyoto.com/

 

取材チーム

リーダー:古市谷 達也(洛南部会)

アシスタント:荒木 正登(東九部会)

アシスタント:岸場 啓太(近江部会)

記事作成:吉田 将史(口丹部会)

サポート:樋口 勝久(洛南部会)

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