京信JOC(ジュニア・オーナー・クラブ)

Report事業報告

嵯峨野部会 部会長インタビュー

カテゴリー:部会報告ピックアップ

嵯峨野部会 部会長インタビュー:和笑株式会社 木村 敏治さん

― 事業承継から新たな挑戦、そして部会運営の展望 ―

プロフィール

和笑株式会社の代表取締役・木村さん。JOCには20期で入会し、現在は嵯峨野部会の部会長を務めています。
10代の後半には沖縄で暮らし、20代後半には東京で不動産営業を経験。その後、32歳で京都に戻り、父親の会社を引き継ぎ、社長として8年目を迎えられました。

会社と事業

和笑株式会社の歩みは、先代が始めた女性用下着の縫製加工にさかのぼります。繊細さと正確さを求められる仕事を重ねる中で、「誠実なものづくり」の精神を磨き上げてきました。父の代からは、小物や子ども服など幅広い縫製を手がけるようになり、地道な積み重ねが現在の基盤を築いています。

今日の和笑株式会社は、従来の縫製加工に加え、アパレル資材の卸売も手がけています。生地・糸・金具・ボタンといった素材を幅広く扱えるため、資材調達から縫製、刺繍やプリント加工、納品までをワンストップで担えるのが最大の強み。依頼側にとっては煩雑な工程を一本化でき、品質も安定しているため、多くの顧客から高い信頼を得ています。

さらに近年は、刺繍・裁断・プリント加工といった新規事業にも積極的に挑戦。最新の機械を導入し、Tシャツや帽子といった定番商品から、完成済みの革製品への後加工まで幅広いニーズに応えています。長年培った縫製の経験値と新しい技術を組み合わせることで、『和笑』ならではの付加価値を生み出しています。

背景には、コロナ禍での苦い経験もあります。仕入れが止まり、長年の取引先からも発注が途絶えた中で「自分たちでできることを増やす」必要性を痛感。それが今の多角的な事業展開を後押ししました。
「糸と針を扱う仕事なら一通り任せられる」。この柔軟さこそが和笑株式会社の強みであり、選ばれる理由です。

部会活動

嵯峨野部会は「前半は学び、後半は実践」を掲げ、活動を展開しています。

・税理士×京信支店長による「お金の勉強会」
・他部会との連携による「AI学習会」
・プロアスリートを招いた講演会

これらに加え、毎年恒例の「家族会」も開催。若手メンバーが企画・推進を担う姿が目立ち、部会は活気にあふれています。

JOCでの経験

木村さんが特に印象に残っているのは、第22期に所属した「スポットライト委員会」での出会いです。一緒に活動した仲間と新たに会社を立ち上げ、現在も週に一度集まって経営や人生について語り合う関係を続けています。JOCを通じた縁が新たな事業を生み、いまも活動の源泉となっています。

今後の展望と新入会員へのメッセージ

「部会としては、参加率を高めたい。そして新しく入る人が自然に輪に入れる“ウェルカムな雰囲気”を作っていきたい」と木村さん。
「同世代や先輩とのつながりを楽しみながら、自分の縁を広げてほしい。部会がその入口になれれば嬉しいです」

取材後記

取材で訪れた工房では、職人さんがミシンに向かい、丁寧に縫製や刺繍の作業を進めていました。作業台の上には資材や製品が整然と並び、日常の仕事の流れがそのまま伝わってきます。

和笑株式会社の強みは、こうした地道で確かな作業の積み重ねにあり、同時に新しい機械や技術を取り入れる姿勢が見て取れました。取引先の信頼を支える日々の努力と、新しい事業への挑戦が共存している現場でした。 

取材 コミュニティシェア委員会 戸田 今村 林 玉木

Page
Top