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洛南部会 部会長インタビュー
カテゴリー:洛南部会

洛南部会 株式会社青木プラス 青木和幸さん
― 21歳の継承から学んだ“人への感謝”、そして洛南部会の未来へ ―
プロフィール
株式会社青木プラスの代表取締役として、プラスチック射出成形を中心としたものづくりを行う青木和幸さん。JOCには第19期で入会し、現在は洛南部会の部会長を務めています。
現在42歳。経営者としてのキャリアは21年に及びますが、そのスタートは決して“計画的な継承”ではありませんでした。大学3回生のとき、父親の病気と突然の他界をきっかけに、進路は一変します。
「会社を潰すか、続けるか。その選択肢しかなかった」。
当時を振り返る青木さんの言葉は、静かですが重みがあります。
普段は柔らかな雰囲気で冗談も交える一方、仕事の話になると空気が引き締まる。その切り替えの速さと自然な気配りが、長年人に支えられてきた理由なのだと感じさせます。

会社と事業
青木プラスは、プラスチック射出成形を専門とする製造業の会社です。
射出成形とは、ペレットと呼ばれる粒状の樹脂を溶かし、金型に流し込んで製品を成形する技術。携帯電話の部品、自動車部品、産業用パーツなど、日常では目に見えにくい部分を数多く支えています。
「プラスチック製品で、ある程度”数”が出るものなら基本的に何でも対応します」
この“断らない姿勢”が、青木プラスの大きな特徴です。少量生産には向かない業界だからこそ、100個、1000個、時にはそれ以上のロットを安定して供給できる体制を築いてきました。
事業を継いだ当初は、経営の知識はもちろん、製造の経験もほとんどありませんでした。
「何が分からないかも分からなかった」
「右も左も分からないから恐怖はなかった」
そう語りながらも、当時は機械の操作方法を教えるため、2ヶ月間、毎日午前中だけ会社に来てくれた取引先。仕事を“若いから”と引き上げず、むしろ見守るように任せてくれたお客さん。
失敗を重ねながらも、「分からんかったら聞いたらええ」と言われた環境が、21歳の経営者を育てました。
2008年には工場を大きく移転し、規模を一気に拡大。しかし、直後にリーマンショックが発生。
仕事は減り、返済は重くのしかかります。それでもこの局面を乗り越えられたのは、再び“周りの人”の存在でした。
「取引先が仕事量を調整してくれ、金銭面でも柔軟に支えてくれた」
「落ち着いたら、その分は必ず返す」
そうして信頼関係を守り続け、現在では工場を自社保有するまでに至っています。
「運がいいと言われることも多いです。でも、運って結局、人が運んできてくれるもんやと思うんです」
青木さんの経営哲学は、経験からにじみ出た言葉でした。





部会活動
洛南部会で青木部会長が最も大切にしているのは、『雰囲気づくり』です。
人が集まる組織には、どうしても好き嫌いや温度差が生まれます。だからこそ、派閥や対立の空気を作らないことを意識していると言います。
「盛り上げるには、まず仲が良くないとあかん」
その考えのもと、誰かが浮いたり、居場所を失ったりしない部会運営を心がけています。
今期は特に新入会員が多く入会した年。
新しく入ったメンバーが“楽しい”“居心地がいい”と感じられるような事業設計を行ってきました。一方で、無理に引き止めたり、過度に連絡したりはしない。その距離感も青木さんらしさです。
部会での幹事会は毎月実施し、担当支店長にも継続的に参加してもらう体制を構築。情報共有を密にし、判断を早くすることで、部会全体の動きをスムーズにしています。
洛南部会の特徴を一言で表すなら「男子高」
製造業が多く、女性会員がいない部会だからこそ、「もし女性が入ってきたときに、ちゃんと迎えられる空気でありたい」と、少し照れながらも本音を語ってくれました。




JOCでの経験
青木さんがJOCに入会した理由は、とてもシンプルでした。
「人と出会いたかった」
21歳で突然、会社を背負い、会社員経験もなく、先輩後輩の関係も知らないまま経営の世界に入った青木さんにとって、JOCは“社会の学校”のような存在でした。
今でも強く印象に残っているのは、入会して最初の新入会員歓迎会。
座布団の上で名刺交換をしていたところ、先輩から「それは失礼やぞ」と一言。
見た目も迫力があり、正直怖かったと言いますが、その一言が強く心に残りました。
「怒られたというより、最初にちゃんと教えてもらえたことがありがたかった」
この経験が、今の青木さんの“後輩への向き合い方”の原点になっています。
今後の展望と新入会員へのメッセージ
部会長としての大きな目標を聞くと、青木さんは少し考えてからこう答えました。
「最後に、入ってよかったって言ってもらえたら、それで十分です。」
最初は戸惑うことも多く、居心地の悪さを感じる瞬間もあるかもしれない。それでも、卒業するときに「やっぱり良かった」と思える会でありたい。
そのために、無理をさせず、でも孤立させない。そんな迎え方を大切にしています。
新しく入会する方へのメッセージも、実感のこもった言葉でした。
「最初は何も分からんで当たり前です。僕もそうでした。でも、人がいて、声をかけてくれる先輩がいました。だから今度は、僕らが迎える番やと思っています」

取材後記
青木さんの話から一貫して感じたのは、「人に恵まれた経営者」ではなく、「人を大切にしてきた経営者」だということでした。
射出成形のように、時間をかけ、圧をかけ、熱を加えながら形をつくる。そのプロセスは、青木さん自身の21年間の歩みと重なります。
派手さはない。けれど確かに積み上がってきた信頼と関係性。
その積み重ねこそが、洛南部会の空気をつくり、青プラスという会社を支えているのだと強く感じました。
コミュニティシェア委員会
インタビュー&記事作成:関東
撮影:林
SpecialThanks:今村 玉木
