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大阪部会 部会長インタビュー
カテゴリー:大阪部会

大阪部会 興和防災株式会社 阪本 幸博さん
ー見えない安心”を守る誇り、そして大阪部会をつなぐ横の力へー
プロフィール
興和防災株式会社の阪本 幸博さんは、消防設備の保守・点検・改修を軸に、建物の「もしも」に備える仕事を担う経営者です。2025年10月1日に代表取締役に就任され、新しい節目を迎えられました。取材の中で感じたのは穏やかな口調の中に、現場を知る人ならではのリアリティと強い責任感。
事業の中で実務をすべて知り、その上で社長業を引き継いでいく――そんな地に足のついたスタートが印象的でした。

会社と事業
興和防災株式会社は創業から45年続く、防災の老舗企業です。初代であるお父さまが28歳の頃に立ち上げ、現在社員は約15名。阪本さんは元々、製薬会社でMR(医薬情報担当者)として働いておられ、まったく異なる業界から家業に戻ってこられました。
転機になったのは、お父さまの糖尿病による低血糖症状を目の前で見た経験でした。帰省中の食事の席でふわっと症状が出たことをきっかけに、ご家族としても会社としても『この先』を考える時間が増えたそうです。
——転勤の多い働き方を続けるか、戻って承継に向き合うか。
お母さまからの気持ちもあり、社員の将来も含めて考えた末に、家業を継承する決断をされました。
事業の中心は、消火器・火災報知設備・誘導灯・スプリンクラー・消火栓・ガス消火設備など、消防設備全般の保守点検とメンテナンス。工場、学校、オフィスビル、郵便局など既存の建物を対象に、点検・報告書作成・不具合箇所の改修までを担います。
設備には電気工事の領域もあれば配管・水系の領域もあり、さらには避難器具やガス消火など建物の消防設備に関する事項はとても幅が広いのが特徴です。
取材班の一人と事業の親和性がある事がわかり、専門用語が飛び交っていました。阪本さんは「浅く、めちゃくちゃ広く」と表現されましたが、実際には“広い領域を現場で回しきる総合力”が求められる世界だなという印象を受けました。
会社の強みとして繰り返し語られたのが、「点検だけ」「工事だけ」に分かれがちな業界の中で、メンテナンスも改修工事も自社で一貫して対応できる体制です。
点検後に不具合が出れば別業者に振る、見積が出てこない、といった“現場あるある”を減らせることが、お客様の安心につながります。「最後まで面倒を見てくれるからお願いする」と言ってもらえる関係性は、まさに積み重ねの結果だと感じました。
さらに、郵便局や官公庁関連の案件など元請けの比率が高い点も、長年の信用がつくったポジションとも言えます。
取材中、使用や設置されている消防設備等を見せていただいている時に、「よかったら見てみますか?」といいながら設備室から出ていく阪本さん。
何がでてくるのかと期待しながら待っていると、何と、消防車で颯爽と登場されました!笑
まさか本物のポンプ車が出てくるとは一同びっくりしました。
取材班一同も子供心に戻って運転席に座らせてもらったり近くで見せていただきました!笑
この消防車は火災が起きた際に使用する給水管に漏れが無いか等を散水設備を有する消防車を使用して点検されています。
こういった事業への真摯な姿勢が信頼の積み重ねに繋がっていると感じました。


もうひとつ、阪本さんが仕事の意味を再認識した出来事として、大きな公共案件の入札や、火災ニュースが重なった時期の話がありました。「この会社って、結構社会に役立ってるんちゃうか」
父の会社だからと入った自分が、現場で責任の重さと社会的意義を実感し、承継への気持ちが“規定路線”から“自分の意思”へ切り替わった瞬間だと話されていました。
そして印象に残る現場エピソードが、ガス消火設備のボンベ交換でした。約140kgのボンベを45本、トラックから降ろして人の手で起こし続ける作業は、体力も気力も削られます。それでも3人でやり切った後の達成感は大きく、「現場で一緒に汗をかく事も社員との大事な信頼関係構築なんだ」と実感されたそうです。言葉より先に、現場が人を評価する。設備業のど真ん中の真理が、ここにありました。


部会活動
大阪部会は、エリアがとにかく広いのが特徴です。大阪市内だけでなく、北から東、そして周辺まで支店が点在し、移動の負担も大きくなります。そのため阪本さんは、まず「集まれる形」を大切にし、忘年会や懇親会など“部会として一度集まる機会”を丁寧に整えています。
また、部会の中には参加頻度が落ちがちな会員も一定数います。阪本さんは、「来るメリットが見えないと感じて人が離れていくのは嫌だ」と率直に語ります。だからこそ、“会員同士が仕事でつながる場”をつくりたいという構想も持っています。部会の横のつながりが、結果として本業の安心にもなる。
——大阪部会らしい現実的なアプローチです。



JOCでの経験
阪本さんがJOCで強く印象に残っているのは、大阪で開催された事業に京都のメンバーが大勢集まった光景です。普段は「行く側」になりがちな中で、「大阪のど真ん中に、あれだけ来てくれた」ことが素直に嬉しかったと話されました。事業内容も組織や学びに関わるテーマで、参加者の反応も良く、当時の空気感が今も思い出せるほどだそうです。
参照:令和6年度 第1回組織力向上事業 「世界一変わった会社から学ぶ採用戦略」(https://jr-ownerclub.jp/23/report/1309/index.html)
大阪部会は近年、新入会員が増え続けています。背景には、関わる支店数の多さと、コミュニティ・バンク京信の支店長層が若く熱量があることから。人数が増えるほどまとめる難しさも増えますが、その一方で“世代の厚み”ができ、部会の未来が見えやすくなるとも感じました。
今後の展望と新入会員へのメッセージ
今後の大阪部会の展望は、「参加する意味」を会員それぞれが持てる部会にすることです。
本業のつながりを少しでも生み、入って良かったと思えるきっかけを増やしていく。その一方で、もっと大事なのは“仕事以外”の価値だとも語られました。
新入会員へのメッセージとして、『同世代の経営者と、フラットに飲みに行ける友達ができる。これが想像以上に大きい』
『業界団体では年齢層が上になりがちで、同じ目線で話せる仲間は意外と少ないものです。JOCにはそれがあるから、仕事で直結しなくても、まず横につながってほしい』

取材後記
阪本さんの言葉で一貫していたのは、「現場と人」を裏切らない姿勢でした。
見えない設備を守る仕事だからこそ、最後は信頼がすべてになります。その信頼は、現場で汗をかくことと、仲間を増やし続けることの両方から生まれる。大阪部会の広さを“弱点”ではなく“可能性”として扱う阪本さんの視点は、これからの部会に確かな芯を通していくはずです。
コミュニティシェア委員会
インタビュー&記事作成:木村
撮影:玉木
SpecialThanks:山下
