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河原町部会 部会長インタビュー
カテゴリー:河原町部会
河原町部会 株式会社ALEX 和田 康司さん
― トップダウンからボトムアップへ。みんなが“やりたい”を持ち寄る部会づくり ―
プロフィール
株式会社ALEX 代表取締役の和田康司さん。現在は河原町部会の部会長として活動されています。和田さんの印象は、一言で言うと
“軽やかに見えて、考え方は骨太”
場の空気を柔らかくしながらも、物事の構造や本質を見て判断しているタイプです。取材中も、言葉の端々に「無理に引っ張らない」「誰か一人に背負わせない」という姿勢がにじんでいました。
——部会という場は、仕事も家庭もある中で集まる人たちの集合体
「だからこそ、誰かの熱量だけで押し切るやり方には限界があるし、逆に“自然に参加したくなる仕組み”をつくれたら強い」
「河原町部会」の特徴でもある業種の幅広さを、単なる「多様」で終わらせず、「だからこそ発見が起きる」と捉えているのも和田さんらしさでした。
違う仕事、違う視点、違う関心が交わる場で、誰かが決めた正解をなぞるのではなく、参加している人の“やってみたい”を拾い上げて形にしていく。和田さんが部会長として目指しているのは、まさにその流れです。
穏やかで話しやすいのに、運営の話になると視点が一段深くなる。河原町部会の今の空気の土台には、和田さんのそんな「柔らかさ」と「設計力」がしっかり息づいています。
会社と事業
和田さんの会社は、宝飾(ジュエリー)を中心に、「卸売」と「小売(アレックス)」の二本柱で事業を展開しています。
創業から卸売を約100年、地金加工・ジュエリー製造の流れを経て、約30年前に小売部門(アレックス)を立ち上げ、現在は両方を並行して運営しておられます。全体としては110年規模の老舗です。
本格的に事業に入ったのは今から約9年前。京都以外で同業界の卸会社で経験を積んだ頃「そろそろ帰ってこい」という話になって戻り、家業を手伝い始めました。
ただ、戻ってすぐに“自分の仕事”があったわけではありません。
国内の卸は既に担当者が回していて、新しく入っても役割が作りにくい。そこで和田さんが選んだのが、新しい領域”海外での販売”
「社長(父親)が入ってこうへんところを開拓しようと思った」
「事業承継あるあるだと思います。市場が飽和している場所に入るのではなく、まだ余白がある場所に自分の旗を立てる。」
この選択が、その後の会社の伸びに繋がっていきます。
——海外に出ていくもう一つの理由は、シンプルに言うと“現地で買うため”
インドなどの産地・加工拠点へ自ら足を運び、現地でダイヤやカラーストーンなどを選び、仕入れる。
「国内企業の多くは輸入している専門商社やバイヤーから買う。でも自分は直で行って買っているから、選べるし、値段も抑えられる。」
ここで効いてくるのが、“目利き”と“信用”
「宝飾は価値が分かる人にしか売れない。売れそうなものを沢山仕入れて在庫が増えると会社のフットワークが重くなる。」
「宝飾品の原料である金の価格が上がれば仕入れコストも跳ね、同じ数量でも資金負担が倍近くになることもある。制限が多い中で如何にお客様に届くような商品を選ぶかが大事になってくる。」
「和田さんのオススメを教えて欲しい、と言われて選んだ商品を買って頂けた時が1番ホッとする」
印象に残っているエピソード
具体名は出せない前提で、和田さんが挙げたのが「芸能人の方へ高額商品が売れた」件
宝飾は金額が金額なので、フラっと来店して即決というより、紹介や信頼の連鎖で繋がることが多い。外国人観光客のようなお客様はフラっと来られて気に入れば高額品を購入される方もいらっしゃるそうです。
「結局、知り合い関係の繋がりで。“信頼できるところで”ってなる」
一撃の派手さより、“積み重ねた信頼が最後に効く”という話がとても印象的でした。
部会活動
河原町部会の運営スタイルは「ボトムアップ」
「幹事が決めて、みんなが参加する」だけでは限界が来ている。
参加している人の“やりたい”を拾い上げて、みんなでやる。そのために、河原町部会では副部会長を4名置き、全体では拾いきれない意見を吸い上げ、例会企画に反映していく仕組みにしています。
「誰かが決めて、みんなが従う、みたいなトップダウンは限界。ボトムアップで拾って、みんなでやる方が部会も活気づくし楽しい」
河原町部会は業種の幅も広く、若手も多い。
飲食、製造、IT、創業期のメンバーもいれば老舗もいる。だからこそ、テーマを一つに絞りすぎると“もったいない”。
多様さを前提に、発見が起きる設計にしいきたいと力強く語られていました。
河原町部会の雰囲気
一言で表すと「自由」
体育会系で締め付ける空気ではなく、各自が自分のペースで動きながら、若手が前に出てきている。
「1月にOBを含めた新年会、3月に新入会員で例会を企画して開催してもらおうと思っています。若手が早い段階で主催者側を経験して受け身ではなく回す側になって欲しい」
「回せる人が増えれば次期部会長も部会運営しやすいし面白い企画が出てくる確率も上がる。私が受け持つ期間での掘り起こしが将来の河原町部会の糧になればと思ってやっています」
——新入会員が主体で例会をつくる
それを既存会員が“応援する側”に回る。河原町部会らしい、空気の作り方です。
JOCでの経験
思い出として出てきたのが、伝説級と言われる「笠置ロック」の企画。
人口減少が進む地域を舞台に、映画制作・上映会を絡めてJOC全体を巻き込んだイベントで、当時は家族や友人も含め大きな動員がありました。
「文化祭の準備感がすごかった」
「ああいう“物語が強い企画”がまた生まれると、入会したい人も増えるんじゃないか」
そして、そのために今やろうとしているのが『埋もれている話を掘り起こすこと』
お互いのことを知らないから、熱が集まらない。知ることで、共通のテーマが生まれる。テーマが生まれれば、団結も盛り上がりも起こせる。
『一発で世界を変えるのではなく、畑を耕して次につなぐ。』
和田さんの運営思想は、そこにありました。
今後の展望と新入会員へのメッセージ
河原町部会は、若手に勢いがあり、新しく入っても馴染みやすい。
“先輩が仕切る体育会系の集まり”ではない。ここは、和田さんがはっきり言い切っていたポイントです。
河原町部会として目指すのは「充実感が残る例会」
飲んで終わりではなく、何か学びや気づきが残る場にしていく。ただし、知識は勉強すれば手に入る。それ以上に、30代以降で“長く続く友達”ができる機会は少ない。だからこそ、その土台を部会として支えたい——。
取材後記
宝飾という、在庫の重さも金額の重さも桁違いの世界。
そして、多業種が集まり、それぞれの視点が持ち寄られる河原町部会という“広がりのある場”。この2つは、どこか似ているように感じました。
価値は、分かる人にしか分からない。でも、分かるようになると世界が広がる。
トップダウンではなく、みんなの“やりたい”を拾う。その設計は、忙しい人が多い今の時代だからこそ、効いてくる気がしました。
「河原町部会」が次に掘り起こす“埋もれた物語”が、次の伝説の起点になるのかもしれません。
コミュニティシェア委員会
インタビュー&記事作成:林
