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実務研修塾その5 パネルディスカッション
writer:山口 昌宏 12.08.29

 

日時:2012年8月28日(火) 受付18:00 ~ 開始18:30 ~ 20:45

 

会場:先斗町 歌舞練場

コーディネーター 村田 晃嗣 氏(同志社大学法学部教授)

パネラー      増田徳兵衛 氏(株式会社増田徳兵衛商店 社長)
               奥  敏郎 氏(秀和株式会社 代表取締役社長)
              大角 安史 氏(株式会社大安 取締役統括営業部長)
              北川 一成 氏(グラフ 株式会社 代表取締役社長)


 

テーマ  『 京都 × 企業 』~京都企業のブランド創造~

(参加者:会員100名 同伴者35名 合計135名)

 

 

担当:実務研修委員会

        河原崎善成 委員長 加藤典義 副委員長 須田真通 副委員長
    安藤秀基 委員 窪田光宏 委員 篠原嘉孝 委員 高橋平 委員    
    谷口貴彦 委員 中西良仁 委員 松田有司 委員 遊免清次 委員
    吉川尚孝 委員 川井宏司委員(京信)

 

先週の理念創造委員会事業に続き、実務研修塾の第5回としてパネルディスカッションが開催されました。

 

『 京都 × 企業 』~京都企業のブランド創造~ というテーマにふさわしい会場として、先斗町歌舞練場が選ばれました。

 

参加者さんのほとんどがここに入るのは初めて、ましてや池上代表幹事のご挨拶や司会の中西委員は舞台に上がってでしたので、さすがに緊張されたご様子でした。

 

 

 

はましん経営塾からもご参加いただきました。

 

河原崎実務研修委員長の趣旨説明のあとは、黒子の格好をされた加藤副委員長が拍子木を鳴らしてどん帳が上がりました。

 

 

コーディネーターは同志社大学法学部教授の村田晃嗣氏

 

ディスカッションのパネリストとして以下の方々にご参加いただきました。

 

  • 株式会社増田徳兵衛商店 社長  増田徳兵衛 氏
  • グラフ 株式会社 代表取締役社長  北川 一成 氏
  • 株式会社大安 取締役営業本部長  大角 安史 氏
  • 秀和株式会社 代表取締役社長  奥  敏郎 氏

(以降敬称略)

村田:まずは、京都の魅力をどうお考えですか?

 

増田:温故知新の宝庫ですね。また、ちょっとした気配りが街中にありますが、それは観察力の現れ。人をよく見てると思います。

あと、権力はキライだが権威は好き。(いい意味で)いけず。

 

 


北川:数値化されるものとそうでないものとの狭間があると思います。間(ま)、ですね。

あと、古いものを活用するのが上手い。他の地方ももっとすればいいと思います。


 

 

大角:豊かな自然です。

また古くからの都には良い技術者が集まり、天皇や貴族へお見せしようと新しい技術も集まります。

良いものも集まります。中には鱧や鯖など京都でとれないものも。それらを京都の技術で加工して、『京モノ』を作れるところでしょうか。
 

 

:先人が残してくれた信用です。京都から外で出すものは『下る』と言います。つまり下らないものは出せません。

距離感、そしてすぐ集まれる適度な距離。

また、私は走るのですが、本当に街がきれいです。

 

 

村田:補足と言いますか、私も挙げるとすると、140万人という利便性と自然とが両立できる適度な人口です。

 

また匂いをイメージできる街は少ないですよね。小京都と呼ばれる街はたくさんありますが、京都のように、お香、お菓子など匂いをすぐにイメージできるところはなかなかありません。

 

そして、排他的に見えて開放的です。他の土地からのいい人、ものを取り入れるのが上手で、包容力があります。

 

また大学がたくさんあります。40くらい! これによって若さ、活力のある街になり、また人材の流出も防ぎます。

 


 

村田:次に、それぞれの企業の立場で、どういうブランド戦略を行なってるか、また行なってきたか、聞かせていただけますか?

 

増田:伏見の蔵は85あったものが23になってしまいましたが、発泡性の酒やにごり酒など特殊なものを作ったから残れたと思っています。

 

もろみは酒税法上出荷できないので国税局と大変でした。発泡性の酒は馴染みがないためラベルにその旨書いても読んでくれない人が多く、おそらく日本一クレームを受ける蔵だと思います。

 

北川:調べてみると、マクドナルドのように安く売るのも、ウェスティンホテルのコーヒーのように高く売るのも両方大変です。ブランディングは根性。知ってもらう、伝える努力が必要です。

 

大角:時代に上手くのれました。漬物は新聞紙や家からの容器に入れるのが普通でしたが、ビニール袋に変えることで持ち運びが便利になりました。高速道路が発達し、クール便もでき、全国へ出られるようになりました。

 

また漬物屋で初めてラジオCMを出したり、ゆるキャラ『カブちゃん』を作り、名前を浸透させていきました。本質さえ変えなければよいと思います。

 

:がま口に特化し、さらに既存のイメージにある小さいものからキャリートートバッグなどのような大きいものを作ったのがターニングポイントです。

 

作る職人も、外注する企業が多い中社員化し、育成しています。実店舗だけでなく楽天市場での販売、TwitterやFacebookでのファン作りもしています。

 

村田:では、難しいかもしれませんが、国際的な視点から、京都のブランドとは?

 

増田:国酒となるものの、国内シェアは6.7%。ただし、年間2500名に名刺をお渡しし、その半分が海外のかたですが、「京都の蔵」で通じます。

 

北川:機械の進歩はすごいですが、お金で買えます。最後は人、人が出来ることを機械はまだ出来ません。見てないところで正しく出来る底力を日本人は持っています。

 

大角:点在するものをもっと面で楽しめるようになればと思います。

 

:楽天の世界進出についていきたい。英語サイトを作ったり海外店進出、海外ブランドとのコラボもしてみたい。Gucciと組んでがまグッチを作ってみたいです。

 

村田:歴史上、街のほうが国より先に出来ました。街が、国を作っていきました。それぞれの企業、街、関西、国と連動してブランド力を高めていってほしいと思います。

 

また、次回このような機会があれば、積極的に京都の弱点を考えてみて欲しいです。それによってさらにブランド力が高まると思います。ありがとうございました。

 


 

以上、1時間半があっという間のパネルディスカッションでした。

 

その後DIAMANT NOIRさんに場所を移して理念創造委員会と実務研修委員会による合同懇親会が開かれ、月の桂のお酒を楽しみました。

     

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