幹事団ブログ
 経営力向上事業 ▲ UPDATE 11.02.02
 フォーマット
広域連携経営者クラブ
はましん
HOME > 幹事団ブログ > KES登録直後に・・
2011年3月 [8]  2011年2月 [6]  2011年1月 [5]  2010年12月 [7]  2010年11月 [5]  2010年10月 [6]  2010年9月 [6]  2010年8月 [10]  2010年7月 [15]  2010年6月 [28]  2010年5月 [32]  2010年4月 [45]  2010年3月 [46]  2010年2月 [20]  2010年1月 [15]  2009年12月 [22]  2009年11月 [34]  2009年10月 [25]  2009年9月 [17]  2009年8月 [23]  2009年7月 [30]  2009年6月 [16]  2009年5月 [15] 
前の記事へ:日帰り旅行~  | 次の記事へ:牛肉食文化
KES登録直後に・・

10.03.21

田中です。
昨年夏から取り掛かってきたKESもなんとか審査も終わり登録となりました。
初回ということもあり大分おまけ的な部分もあり、審査員からも「次回からはこうはいかん」との
厳しいお言葉も頂きながらの登録です。
 

kes2.jpg


このKES登録の目的は、建設業ですと京都府の場合8点プラスされる等のメリットもあるのですが
一番はやはり社内整備でした。
当社では3Mと言われる「ムリ・ムダ・ムラ」を徹底的に改善するためのコスト管理とリスク管理に
つながることを皆で取り組もうという訓練です。
 

まだまだこれからですが、最初は「なんでいまさら?」や「なんのために?」、「忙しいのに・・」とか
自分達の今の現状すらわからず、この先の危機感などさらさらない状態からのスタートでした。
 

「忙しいのに売上が下がっている・・」、「これまで以上のことをやれているはずなのに・・・」ブツブツ
 

そこで、、、「こんなやり方ではあかん!まず自分らが変わらなあかん!
もっと高度な技術力、行き届いたサービス力、安心できる安全管理力、人が育つ組織力・・・
 

今まで以上のこれらを身につけたいよなー!これができたらもっとお客様に喜んでもらえるし、
おれらももっと楽しくなるでー!」
 

ということを皆で話あって、よしやろうということでスタートしました。
 

が、まだまだ皆が実働に忙しく、なかなか社内で当たり前の基準には届かずに一番頼りにしている
1人のスタッフの心にもスイッチが入らないところも僕が気がかりな点でした。
 

その彼には「環境保全体制の仕組づくり」を率先して取り組んでもらうことになっています。

このための具体的な施策は、
①災害・事故時のシステム創り②クレーム対応の仕組み創り③作業・運用手順の徹底
④安全で環境に配慮した作業場の徹底

といった4つを取り上げているのですが、今ひとつ他人事というか、意義が伝わってない感がありました。
技術面での信頼もあり、影響力や存在の大きな彼でしたから、なんとかスイッチが入ってほしいなと
思う日が続いていました。
 

先週のことです。KESの審査当日、若いスタッフが電動シャッターが上がりきっていないことの確認
をせず、フォークリフトでシャッターに激突してしまいました。
シャッターは変形しましたが、なんとか復旧もでき動くのには問題はありませんでした。
 

その夕方、そのことを会議で一番に取り上げました。スイッチをいれてほしい彼もいました。
激突した本人は十分反省もしており、会議ではこのことが社内ではなく、お客様のところで起こっていたら
どうなっていたか?誰かに怪我でもさせていたらどうなっていたか?
今回のことをしっかりと受け止め、絶対に注意して皆で反省して改めていこう!
こういうことの対策としてKESで訓練していこう!と・・・。
 

スイッチを入れてほしい彼はというと、少し不機嫌そうに激突した若いスタッフを非難するような感じ
で「信じられへん」といった顔をしていました。とても気になりました。。。
 

それから一週間もたたないうちにKES登録の知らせをもらった次の日の朝のことです。
 

朝礼前、何件もある現場の準備のためにフォークリフトで積荷の整理をしている彼の姿がありました。
「おはよう」と挨拶した僕は、この前のこともありシャッターが上がりきっていないことが少し気になりましたが
外に出る雰囲気でもなさそうだったのと、操作しているのが彼なので大丈夫だろう・・と行き過ぎました。
 

その直後です。「ガッシャーン!!」
信じられないくらい大きな音がしました。びっくりして戻るとシャッターが大破しておりました。
そこには呆然と壊れたシャッターを見上げる彼の姿が・・・。
そうです、彼はシャッターの位置に気づかずフォークリフトのまま突っ込みました。
 

自分の管理職としてのポジション、ついこの前に若いスタッフを非難したのに自分が、、、
いろんなことが頭に浮かぶごとく悲壮な表情のまま、懸命にシャッターを直そうとしますが
大破しているシャッターはビクともしません。。。
 

普通ならとんでもないことですが、僕は彼のスイッチがもろに入ったことを確信しました。

落ち込んでいる彼と向き合って、「これを身に染みてほしい。頭を切り替えてこれからはこういうことが
ないように君が中心になって進めていってほしい」と言いました。
彼の口からも「本当に申し訳ございませんでした。これからしっかりと努めます。」という言葉が
聞けました。直後の朝礼で皆の前で一段と気の入った僕の言葉と、見違えるくらいの彼の表情が
あったのは言うまでもありません。
 

シャッターは大変なことになり、大きな代償となりましたが、身をもって知り得た今回のことは
僕にとってはとても有難いことであり、会社にとっても非常に大きなチャンスになったと思います。
 

一週間の間にこんな事故が社内に続くなんて・・・、もしこれがなければお客様のところで大変な
ことに繋がっていたと思います。正直本当に有難いです。教えてもらってます。
 

こんなふうにまだまだ頼りないところが一杯ある組織です。改善していかなければいけないところは
山のようにあります。まずはKESをいい訓練ととらまえ、全ての基本につなげて、大きな基盤をつくり
幹の太い会社にしていきたいと思います。
 

昨日今日と風が強いので修理前の応急処置シャッターがバタバタゆうてます(爆)
 

また長くなりました(謝)

 

田中

 

コメント (2)  |  コメントを投稿する

ブログ bottomイメージ

コメント(2)


京信常勤監事 大庭正嗣さん

 何時も例に出す宋文洲氏の著作に「部下のモチベーションは上げるな」というものがあり、モチベーションは本人にしか上げることができないので、本人の心の渇きが大事だと力説しています。
 心の渇きを感じることは正に心のスイッチが入ることだと思います。盛和塾の稲盛氏は、リーダーの重要な役割は、皆の心に火を着けることだとも言っています。
 発展途上国に行くと皆貧しくても明るい表情をしています。日本は豊かですが、この明るさを見ることが少ないように思います。豊かなことが生きる目標を奪っているような気もします。
 どのように皆の心のスイッチを入れることができるか、簡単ではありませんが、リーダーがこのことの重要性を認識して努力していれば、少しずつ皆も気づいてくれるように思います。
 

このコメントに返信する |  2010年3月23日 13:43
田中久喜さん

大庭監事様 いつも有難うございます。今回も有難いお言葉を頂きとても勉強になります。この「スイッチを入れる」ことは今期JOCでは「気づく」ということで様々な事業を通じて思い知らされております。一番難しいことですが一番簡単なことかも知れませんね。宋文洲さんはtwitterでもたくさん呟いておられますので僕も早速フォローさせてもらいました。楽しみです。http://twitter.com/sohbunshu 最初のコメントアップが出来てなかったようで遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

このコメントに返信する |  2010年3月25日 18:29